厚生労働省は、建設業労働者就業機会確保事業を対象とした「送出労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針」を新たに定め、12月26日に告示した。同事業で送り出す労働者に対し、受け入れ先に雇用されて働く通常の労働者と比べ、給与や福利厚生などで不合理な待遇差を設けることを禁止する。2020年4月1日から適用する。
建設業労働者就業機会確保事業は、派遣労働を禁止されている建設業において、需給調整による労働者の雇用安定を目的として、例外的に事業者間の労働者の送り出し、受け入れを認めるもの。厚生労働大臣の認定を受けた事業主団体が斡旋し、労働者の送り出し、受け入れも団体の会員間に限っている。
18年の労働者派遣法改正により、同一労働・同一賃金の規定が整備されたことを受けて、建設業においても対応する指針を整備することにした。指針では送出労働者の基本給や賞与、手当、福利厚生などについて基本的な考え方を提示。どのような待遇差が不合理とされるか具体例を示している。