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計画的な施設更新など推進 企業局経営ビジョン素案

 宮崎県は「企業局経営ビジョン」の素案をまとめ、12月5日に開かれた県議会文教警察企業常任委員会で報告した。現行ビジョンの策定から5年が経過するため、総務省発出の経営戦略策定・改定ガイドラインに準拠して、将来にわたり持続可能な経営基盤を確立するための経営指針と位置付ける次期ビジョンを策定する。

 企業局経営ビジョンは、独立採算制の基本原則のもと、将来にわたり「公共の福祉の増進に資する」という公営企業としての役割を果たしていくため、中長期的な経営の基本姿勢や事業の目指す姿、様々な経営課題の解決に向けた基本的な戦略を示すもの。

 環境に配慮した低炭素・循環型社会への転換やAI及びIoTに代表される第4次産業革命の進展といった時代の潮流に加え、高齢化の進展に伴う労働力人口の減少、既存施設の老朽化の進行、大規模災害に備えた危機管理対策など、経営環境の変化を踏まえ、次期ビジョンを策定する。計画期間は2020年度から29年度までの10年間。

 次期計画では「豊かな水資源と河川環境を活用し、地域社会の持続的な発展と県民福祉の増進に貢献する公営企業」を目指す姿とし、▽経営環境の変化に対応した健全な経営の維持▽地域貢献による県政発展や県民の豊かな暮らしづくりへの寄与▽効率的な事業運営▽情報発信による県民の理解促進と信頼の構築―を経営理念に掲げる。

 電気事業に関しては、電力システム改革等に対応した経営基盤の強化や、老朽化した発電所等の計画的な更新、大規模災害等におけるリスク対策の充実強化、適切な人材育成と組織体制の確立、積極的な地域貢献と情報発信といった各種戦略を通じて、持続可能社会の構築や経済振興、県民の福祉増進に貢献する。

 期間中の主な投資計画として、渡川発電所大規模改良工事(19~21年度)や綾第二発電所大規模改良工事(20~25年度)、綾第一発電所大規模改良工事(24~28年度)、岩瀬川発電所大規模改良工事(29年度~)などを予定する。

 工業用水道事業に関しては、効率的な設備投資と財源確保による経営基盤の強化、設備の計画的な更新・維持補修による健全性の保持、大規模災害等におけるリスク対策の充実強化、適切な人材育成と組織体制の確立、ユーザー企業等との緊密な連携を図り、低廉な料金を維持しつつ、県北地域の産業振興を支援する。

 期間中の主な投資計画として、高速凝集沈殿池改良工事(19~20年度)や9号送水管更新工事(25~27年度)、送水管(旧管)改修工事(28~29年度)などを予定する。

 地域振興事業では、フラットな河川敷ゴルフ場の特色を生かした利用しやすい施設の提供や指定管理者と連携した経営基盤の強化のほか、サービスセンターの改修工事(24年度)にも取り組み、県民の誰もが快適にプレイしやすい環境を提供することで、県民の健康づくりや生きがいづくり、地域の振興に寄与する。

 県は、今月から来月にかけて素案に係るパブリックコメントを実施し、これを踏まえた経営ビジョン案をまとめる方針。20年3月の定例県議会で報告し、経営ビジョンを正式に決定する。