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担い手確保・育成などで県と意見交換 建コン協九州支部

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▲写真は挨拶する福島支部長、石井課長、会合の模様

 一般社団法人建設コンサルタンツ協会九州支部(福島宏治支部長)は、12月17日に宮崎県との意見交換会を宮崎市内で行った。会合では、▽担い手の確保・育成のための環境整備▽技術力による選定▽品質の確保・向上▽宮崎県への個別要望―をテーマに掲げ、協会員と県の担当者がそれぞれの立場から意見を交わした。

 九州支部と自治体との意見交換は、九州・沖縄8県及び3政令市で行っているもの。会議には、宮崎県から県土整備部技術企画課の石井剛課長をはじめとする幹部や管理課の担当職員ら7人が出席。九州支部からは、福島支部長をはじめとする理事、対外活動委員のほか、県内に本店を置く地元会員ら23人が出席した。

 挨拶で福島支部長は、サービス業に位置付けられる建設コンサルタント業に於いて、来年4月から中小企業にも適用される改正労働基準法が「待ったなし」の状況であることを指摘。受発注者が一体となって働き方改革を進めることで、地域を守り、次世代をつなぐ産業として地域の役に立てることを強調し、提案・要望への理解を求めた。

 技術企画課の石井課長は、宮崎県発注の建設コンサル業務に関して、働き方改革や多様な入札方式への対応といった課題が山積しており、「円滑に業務を進めていくためには、受発注者が協力して乗り越えていかなければならない大きなハードル」との認識を示した上で、「業界の動向や取り組みを聞かせて欲しい」と呼び掛けた。

 会合では、現状の問題や課題を踏まえ、適正な工期設定や納期の平準化、受発注者協働による災害対応に向けた環境整備、実態に即した予定価格の設定、土木設計業務等変更ガイドラインの適正な運用、業務成績評価結果を活用した選定・発注、技術力を重視した入札方式の導入、品質確保・向上の取り組みなどについて意見を交わした。

 適正な工期設定と納期の平準化に関しては、早期発注や繰越制度、ゼロ県債等を有効に活用し、年度末納期の集中を改善してもらうよう要望。これに対して県は、2018年度実績で年度末納期が全体の約3割と低水準であり、19年度発注予定案件のうち9月までに約6割を発注するなど、納期や発注の平準化に努めていることを説明した。

 また、品質の確保・向上を図るため、受発注者合同現地踏査の実施や照査期間の確保を含む業務スケジュール管理表の活用、ワンデーレスポンスの実施、条件明示チェックシートの活用など、受発注者一体の取り組みを要望。県は、これらの取り組みに関して前向きに検討し、20年度から順次取り組んでいく意向を示した。

 各地で相次ぐ自然災害を踏まえ、災害対応従事職員が対応していた既往業務への柔軟な対応も要望。若手・女性・シニア技術者を有効活用する環境整備のほか、見積徴収時の適切な予定価格の設定、最低制限価格の引き上げ、設計変更事例集等の整備についても意見を交わし、これらの取り組みを市町村にも指導してもらうよう求めた。

 一方で、宮崎県に対する個別要望では、社員のモチベーションアップに繋がる表彰制度の導入や新規業務への参入を要望。社員に実績があっても会社に実績がない場合、新規業務への参入が困難な現行制度の課題を踏まえ、大手企業とのJVなどを条件に、チャレンジ型として新規業務に参入できる枠組みを検討してもらうよう求めた。