国土交通省九州地方整備局は、今後の円滑な事業執行に向けた取り組みとして、土木系工事で試行している「企業実績評価型」の内容を見直すほか、「機械チャレンジ型」「電通チャレンジ型」「営繕チャレンジ型」の試行工事を新設する。これらの取り組みに関して、12月9日付で管内の各事務所に通知を行った。
企業実績評価型の試行では、技術者と企業の配点をそれぞれ20点と設定しているが、技術者不足による入札不調対策、技術者の担い手確保及び働き方改革、災害対応に貢献している企業へのプライオリティを高める観点から、企業評価をより重視する内容に見直しを行い、技術者の過去工事成績等にとらわれない内容に変更する。
具体的には、現行の工事の配点を見直し、企業配点を高く設定する。通常工事で▽配置予定技術者の能力等=20点▽企業の能力等=14点▽地域貢献等=6点―としている評価点を、本試行で▽配置予定技術者の能力等=10点(工事成績を求めない)▽企業の能力等=22点▽地域貢献等本試行=8点(災害協定実績必須)―に変更する。
災害本復旧工事や施工環境が厳しい工事、高度な技術を要する工事など、企業の組織力・機動力・技術力が求められる工事を対象としているが、技術者不足等で不調不落が見込まれる工事についても、工事の規模や受注状況、地域の実情等を踏まえて適切に実施する。2020年1月1日以降に契約手続きを開始する工事から適用する。
一方で、受注実績の少ない企業や地域を支える建設業の入札参加意欲を向上し、工事成績を持たない技術者に経験を積ませることで技術者の拡大を図るため、技術者の過去の実績を求めずに、提案された施工計画を主な評価とし、受注機会のチャンスを拡大するチャレンジ型に、機械・電通・営繕の試行工事を新設する。
機械チャレンジ型では、企業の能力等を最大14点、地域貢献等を最大26点で評価。受変電・発動発電機工事の電通チャレンジ型(参入促進型)は、地方公共団体の実績で参加し、施工実績と地域貢献等で加点する。通信設備工事の電通チャレンジ型(担い手確保型)では、技術者の能力を求めず、企業の施工能力と施工計画で評価する。
九州地方整備局ではこのほか、適正な工期設定に向けた任意着手方式やフレックス方式の積極活用、施工条件明示の徹底(手引き案の策定)、労働者及び資機材の確保状況等を踏まえた適切な設計・施工の見直し、工事目的物の施工完了時点で交代可能とする監理技術者の途中交代の緩和、検査時の書類の簡素化拡充に取り組む。