新富町は、まちづくりの基本的な方向を示す「都市計画マスタープラン」の修正案をまとめた。人口減少や少子高齢化、自然災害、コンパクト・プラス・ネットワーク、地方創生といった社会・経済情勢の変化及び制度面の改正等に伴い、2003年度に策定、10年度に見直した「新富町都市計画マスタープラン」を修正する。
修正案では、都市機能や土地利用、市街地整備、住宅宅地供給、都市施設整備の観点から、都市づくりの基本的な課題を整理。これを踏まえ、ハードな都市づくりの中にも、地球環境の保全と個性の創造を目指す「ゆたかさの実感」をテーマにまちづくりを推進することを理念に掲げた上で、都市づくりの施策目標に6項目を挙げた。
施策目標のうち「自然や文化と共に、必要な生活基盤の整ったアメニティのあるまちづくり」では、自然環境や歴史・伝統の活用、新たな創造を基本に、豊かな自然である富田浜や富田浜入江などを活かしたまちづくり、歴史と伝統の中心となる文化会館を活かしたまちづくりを進めることで、総合的なまちづくりの実現を図る。
「成熟したコンパクトシティを実現する都市基盤づくり」では、都市計画事業を推進して、ゆとりとうるおいのある市街地を形成する。21世紀の地域間交流社会に対応し、国県道・都市計画道路の整備を推進するとともに、JR日豊本線及び東九州自動車道の整備を展望し、東西軸の強化を含めた総合交通体系の整備を検討する。
また、「産業の振興を支援し、活力ある都市生活を実現するまちづくり」では、商業・工業・農業の更なる振興に向けて、商業地に於ける都市的サービス機能の充実や住宅地と工業地の混在の解消、公害のない企業等を支援するための道路網の整備、農業経営規模の拡大や機械化・技術改良による生産性の向上などに努める。
一方、「バリアフリーやユニバーサルデザインに取り組み、住む人に優しいまちづくり」では、良好な住宅宅地の供給や高齢者・障がい者に優しい居住空間の整備、老朽化した公営住宅の計画的な建て替えといった住環境の整備を促進。公園・緑地の整備や緑化の推進、生活排水処理施設等の整備促進、都市景観の向上も図る。
これらの施策に取り組む上で、立地する自然の活用や歴史及び伝統への配慮、地域に適した新たな個性の創造に重点を置いた「歴史や文化を大切にするまちづくり」を進める。まちづくりは、公共団体の積極的な推進方策による対応と住民の主体的参加で実現することを踏まえ、「町民協働によるまちづくり」を推進する。
修正案では、これらの施策に基づく具体的な土地利用や施設整備の方針、自然環境の保全及び都市環境形成の方針、景観計画、市街地整備の方針、都市防災の方針なども示した。修正案はホームページ等で公開し、12月10日から19日まで意見を募集する。