▲写真は講演する塚田氏、百田氏、会場の模様
公益社団法人日本建築家協会九州支部宮崎地域会と一般社団法人宮崎県建築士会、一般社団法人宮崎県建築士事務所協会の共催による「建築セミナー2019」が、11月23日に宮崎市内で開かれた。3会の会員に加え、県立宮崎工業高等学校建築科の学生ら約60人が参加。講師の話す内容に聞き入り、建築に対する見識を深めた。
セミナーの講師は、2018年度に公益社団法人日本建築家協会(JIA)の新人賞を受賞した「組積の小屋/大栄鉄工所倉庫棟」を設計した塚田修大氏(塚田修大建築設計事務所)、同じく「GoodJob!CenterKASHIBA」を設計した百田有希氏(一級建築士事務所大西麻貴+百田有希/o+h)が務めた。
塚田氏は、「物質と構築」を考えながら設計に取り組んでいる自信のスタンスや、地盤面と建物の関係を再構築した個人住宅の設計例などを紹介。危険物貯蔵庫として整備した「組積の小屋」で、コンクリートブロックを十字型に積み上げた6本の柱を使用し、壁面のブロックの積み上げ方にも変化を持たせたことを説明した。
百田氏は、障がい者福祉施設である受賞作品に「ちがいを認め、ちがいを大切にする」といった施設の基本理念を反映させ、利用する人達が過ごしやすい様々な居場所を造ったことを説明。建物の経路とそこでできる経験を重視し、建物自体が一つの個性を持った存在となる「人を愛する建築」を目指していることを説明した。
会場内には、共催3団体の会員及び賛助会員が携わった作品を紹介するパネルも展示された。宮崎県建築士会の松竹昭彦会長は、担い手の確保・育成が建設産業の大きな課題である中、来場した高校生を含む若手建築士に「セミナーを通じて建築的な刺激を受けてもらい、今後の仕事や学業に役立てて欲しい」と話した。