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加入促進強化月間、都内で連絡会を開催 建退共

 勤労者退職金共済機構建設業退職金共済事業本部(建退共、稗田昭人本部長)は10月4日、10月の建退共加入促進強化月間に合わせ、協賛団体を集めて加入促進等連絡会議を東京都内で開いた。参加した36の建設業団体に対して、広報活動などでの協力を呼び掛けるとともに、建退共事業の現況や、2020年度末までに導入する電子申請方式、電子申請に先駆けて提供を開始した就労実績報告書作成ツールなどについて説明した。

 会議の冒頭、あいさつに立った稗田本部長は、「就労実績報告書作成ツールを7月末に提供するなど、電子申請方式の導入に向けて着実に準備を進めている」と述べた。また偽造品を含む共済証紙の販売がインターネットや金券ショップで見つかった問題を話し、電子申請の導入によって「制度の適正な履行を図っていく」と説明した。

 来賓として厚生労働省雇用環境・均等局の中條絵里勤労者生活課長と国土交通省土地・建設産業局の小笠原憲一建設市場整備課長が参加。

 中條勤労者生活課長は、建設技能者の人手不足や高齢化などの問題に対処していく上で「建退共制度の安定的な運営の確立が重要」と指摘。建設業の担い手の確保のために「セーフティーネットとして魅力を高めていく必要がある」と訴えた。

 また小笠原建設市場整備課長は「建退共制度は、建設業の課題である就労者の処遇改善を支える柱の一つ」と指摘。建設キャリアアップシステムと連携させ、民間工事でも普及を推進する方針を述べた。

■被共済者加入が0.6%増

 勤労者退職金共済機構建設業退職金共済事業本部がまとめた建退共の加入脱退状況によると、2019年4~8月の共済契約者の加入は2340所で、前年同期と比べ7.5%減少したものの、被共済者の加入は4万8993人で、0.6%増えた。共済契約者による被共済者の追加加入が目立った。建退共では「社会保険と同時に加入するケースが多かったのではないか」とみている。

 建退共では19年度、11万人の被共済者の加入を目標としている。半期を過ぎた9月末時点の加入者数の速報値は5万6117人。年間達成率は51.0%の状況だ。

 4~8月の共済契約者の脱退は、前年同期比18.7%増の736所、被共済者の脱退は1.1%減の3万3644人だった。

 8月末現在の共済契約者は前年同期比0.4%増の17万3666所、被共済者は0.6%減の220万4240人となっている。

 退職金の支給件数は1.7%減の2万7014件、支給額は0.1%増の251億9800万円、平均支給額は1.8%増の93万3000円。手帳の更新は1.4%増の26万5960人だった。

 19年度に入って調べた加入動機は①元請けからの指導(45.2%)②発注者からの指導(30.6%)③ホームページ・チラシなど(12.7%)④制度説明会(8.4%)⑤テレビ・新聞など(3.1%)。ホームページや説明会が前年より増えている。

■「偽造共済証紙に注意を!」

 勤労者退職金共済機構建設業退職金共済事業本部は、インターネットや金券ショップで販売された共済証紙から偽造証紙が見つかったとして、証紙は必ず建退共代理店の金融機関から購入し、インターネットや金券ショップで売買しないよう共済契約者に呼び掛けている。

 建退共によると、偽造証紙以外でも、代理店の金融機関以外で購入した共済証紙は購入実績として認められない。また、インターネットや金券ショップで売買した共済証紙は証紙受払簿に記載できない。その結果、加入・履行証明書が発行できなくなることがあるという。

 公共工事で購入した共済証紙が余った場合は、金券ショップなどに売らず、他の民間工事などで使用してほしいとしている。