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ゼロ災達成と健康管理に重点 宮崎県建築協会が安全大会

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▲写真は挨拶する松本会長、大会の模様

 一般社団法人宮崎県建築協会(松本純明会長)は10月1日、宮崎市内で2019年度の労働安全衛生推進大会を開催した。大会には、県内各地から会員企業の代表や技術者ら多数が参加。労働災害の根絶に向けて、安全表彰や安全講話を通じて更なる安全意識の高揚を図るとともに、安全第一の施工に取り組むことを固く誓った。

 大会で挨拶に立った松本会長は、建設業界に於いて、ゼロ災害の達成とこれを支える従業員の健康管理が最重要課題であり、合わせて働き方改革への対応も重要になってきていることを強調。今大会で行われる貴重な講話の内容を「今後の現場に於ける安全衛生管理、そして各社の働き方改革に役立てて欲しい」と呼び掛けた。

 続いて行われた表彰式では、職場における安全衛生の取り組みが顕著だった事業所として小園工務店と越智工務店の2社、同じく個人賞を受賞した▽牛谷清文氏(志多組)▽日高儀浩氏(西尾組)▽東明氏(野田建設)▽中村基治氏(増田工務店)▽鍋倉紘一朗氏(吉原建設)―の5人に対し、松本会長から表彰状と記念品が贈られた。

 来賓として招かれた宮崎労働局健康安全課の岡元秀樹課長は、宮崎県内及び建設業に於ける労働災害の発生状況を説明した上で、墜落・転落を中心に重篤度の高い労働災害の防止に重点を置き、労働災害防止活動の徹底を図る必要性を指摘。互いに連携しながら「効果的・効率的な労働災害防止に努めてほしい」と呼び掛けた。

 引き続き安全講話を行った岡元課長は、建設業に於ける足場や屋根等からの墜落・転落災害の分析結果を示しながら、その多くが法令違反に起因していることを説明。関係省庁の会議等で足場点検の強化や手すり先行工法のあり方などについて議論が行われていることを解説し、墜落・転落災害の防止に向けた対策の強化を訴えた。

 第2部の研修会では、宮崎労働基準監督署の福山栄隆署長と花田愛一郎氏が「働き方改革における労働時間法制度等の見直し」について講演。建設業等に5年間の猶予期間が設けられている時間外労働の上限規制に於ける労務時間管理のポイントや法改正に伴う36協定の変更内容、年次有給休暇の取得義務化の要点を解説した。

 研修会ではこのほか、国土交通省九州地方整備局営繕部技術・評価課の中西伸行課長と同じく建政部建設産業課の小倉一人連携推進係長、宮崎県県土整備部技術企画課の前田秀高主幹が「建設業の働き方改革」をテーマにそれぞれ講演。週休2日やICT施工の推進、書類の簡素化といった国や県の取組内容を説明した。