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公共事業は前年度予算の範囲内 宮崎県の予算編成方針

 宮崎県は10月30日、2020年度当初予算の編成方針を発表した。当初予算では、持続可能な宮崎県の土台づくりに向けた3つの柱に基づく取り組みに重点的な措置を講じる。公共事業に関しては前年同様、前年度当初予算額の範囲内を予算要求限度額とするが、防災・減災、国土強靱化対策に係る事業に関しては別途要求を認める。

 宮崎県の20年度当初予算の編成にあたっては、今年6月に策定した財政健全化指針に基づき、健全な財政運営を維持しつつ、人口減少をはじめとする課題に適確に対応するとともに、将来を見据えた施策についても積極的な展開を図る。

 人口減少下にあっても地域の活力を維持するため、20年度の重点施策に掲げる①地域や産業を支える人財の育成・確保②魅力的で持続可能な地域づくり③社会の変化に対応し、成長する産業づくり―の3つの柱に基づく取組を重点的に進める。

 重点施策の①では、若者の県内定着や移住・UIJターンの促進、人手不足に対応した新技術の導入や多様な担い手の確保などを促進。②では、観光・スポーツ・文化を生かした交流拡大や地域を支えるインフラ整備等を推進する。③では、成長産業の育成や中小企業の活性化、地域の特性を生かした次代につながる産業づくりに取り組む。
 
 一方、社会保障関係費や公共施設の老朽化対策、国民スポーツ大会経費など、多額の財政負担が見込まれる事業に関しては、将来にわたる負担の平準化のため、市町村や関係団体等との連携等を考慮し、総額の抑制を図りながら、計画的な予算計上を行う。

 公共事業費の予算要求限度額は、補助公共事業費(交付金事業を含む)、県単独公共事業費(維持管理経費を除く)、直轄事業負担金(新直轄分を除く)のいずれも、19年度当初予算における一般財源額の範囲内とする。県単独公共事業費の維持管理経費分は所要額、直轄事業負担金の新直轄分は内示見込額を限度額とする。

 ただし、国の「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」に基づく補助公共事業費については、前述の予算要求限度額とは別途要求を認める。また、国土強靱化対策と一体的に行うことで一層の効果が見込まれる県単独公共事業に於いても、緊急自然災害防止対策事業債等を財源とする事業に限り、別途要求を認める。

 公共事業費以外の予算要求限度額に関しては、19年度当初予算額の範囲内とする。ただし、20年度の新規・改善事業に係る経費については、今年6月~8月に行った事務事業の見直しの実績等を踏まえ、各部局に別途示す要求限度額の範囲内とする。特定目的金を活用した事業では、基金所管課等と調整を行い、別途要求を認める。

 新規・改善事業の構築にあたっては、スクラップ・アンド・ビルドを基本に「県の果たすべき役割を踏まえ、必要性・緊急性・有効性等を勘案し、真に必要と認められる事業を構築する」「事業の確実な実施のため、実施方法や条件、積算内訳等について調整・確認する」「事業終期を設定し、定期的に見直す」ことを求める。

20年度当初予算の編成に向けて、各部局に対して予算要求書の提出を11月上旬までに行うよう求め、11月~12月に要求内容のヒアリング等を行う。12月~20年1月に予算審査を行い、同年2月に20年度当初予算案を決定する。

予算編成方針のポイント