太陽光発電事業や風力発電事業を手掛ける株式会社エルゴジャパンエナジー(齋藤稔代表取締役、東京都千代田区)が日之影町内で計画する「(仮称)日之影町風力発電事業」に関して、宮崎県は同社が作成した「計画段階環境配慮書」の審査を行い、10月28日付で環境保全の見地からの知事意見を同社に提出した。
日之影町内の石峠周辺に、発電能力2350~4200㌔㍗の風車(高さ130m~157m)を最大14基設置する計画。最大総出力を5万8800㌔㍗とし、全量を電力会社に売電する。2021年3月まで風向きや風の強さなどを測る風況観測塔で計測を実施。計画が順調に進んだ場合、25年の施設完成を目指す。
計画段階環境配慮書に対する知事意見では、事業実施想定区域が祖母・傾・大崩ユネスコエコパークの「移行地域」に該当していることから、対象地域へ影響が及ばぬよう事務局と協議を行うこと、周辺の自然景観や生物多様性を損ねることのないように配慮すること、雨水排水対策について考慮することなどを求めた。
知事意見ではこのほか、事業実施想定区域を流れる五ヶ瀬川・五十鈴川・耳川に於いて、工事の際に水産動植物に影響を及ぼさないよう配慮することも意見。こういった環境影響を回避または十分に低減できない場合は、事業実施区域の変更や風車の基数の削減などの計画見直しを行うことを求めている。