一ツ葉有料道路の耐震化に伴う費用を捻出するため、宮崎県道路公社は国土交通大臣に事業計画の変更許可申請書を提出し、10月16日に認可を受けた。変更計画では、事業費に橋梁の耐震対策や避難誘導対策として約40億円を追加。一方で、来年2月末までとしていた料金徴収期間を10年間(2030年2月28日まで)延長する。
国土強靱化に必要なレベルに橋梁の耐震性能を引き上げる必要がある一ツ葉有料道路に関して、耐震対策等の進め方や財源確保について検討を行った有識者会議が「早期の耐震化へ財源確保のための有料方式の延長はやむなし」とする意見をまとめたことから、県は9月定例県議会で事業変更に係る同意を求め、議会はこれを可決していた。
要対策の橋梁は、▽北線の佐土原跨線橋(橋長44m/3径間)▽北線の一ツ葉橋(橋長86m/4径間)▽南線の一ツ葉大橋(橋長792m/11径間)―の3橋。橋脚の耐震性能を向上させるコンクリート巻き立てや、橋脚への負担を軽減する支承の可動化及び制震ストッパーの設置を計画し、これらの耐震対策費を約31億円と見積もる。
また、津波発生時に通行中の車両に対して速やかに情報提供を行うとともに、本線への進入防止や有料道路からの早期避難を促すため、遠隔操作装置や無停電電源装置といった機能を付加した情報板(北線9基・南線11基)を設置するとともに、Uターン場所や車両進入防止柵を設置する。これらの避難誘導対策費を約9億円と見積もる。
対策費用を捻出するため、料金徴収期間を10年間延長し、改定後の通行料金(北線・南線共通)を▽普通車150円(現行200円)▽大型車(一)300(同250円)▽大型車(二)550円(同700円)▽軽自動車等100円(同150円)▽軽車両等20円(同20円)―とする。新料金は2020年2月29日の午前0時から適用する。
宮崎県道路公社や宮崎県では今後、県政番組やチラシ・ポスター等を通じて、料金徴収期間の延長や通行料金の値下げといった変更計画の内容を周知する方針でいる。なお、今回の事業計画の変更に同意するにあたり、宮崎県議会は「10年後の有料期間の再延長を認めない」などとする付帯決議を可決している。