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マンション再生円滑化へ 来年1月に制度改正提言

 国土交通省は、社会資本整備審議会にマンション再生・維持管理の適正化を議論する「マンション政策小委員会」を設置し、10月18日に初会合を開いた。老朽化したマンションストックは10年後に2.4倍に増加する見込みで、建て替えの円滑化や適正な維持修繕が喫緊の課題。小委員会では、円滑なマンション再生と適正管理に向けた制度改正を議論し、2020年1月に提言をまとめる。

 全国のマンションストックは654万7000戸(2018年末時点)で、国民の約1割が居住していることになる。このうち築40年を超える老朽化マンションは81万4000戸だが、10年後には2.4倍の197万8000戸、20年後には4.5倍の366万8000戸へと急増する。

 一方、マンション建て替えの実績は累計244件、1万9200戸(19年4月時点)にとどまる。築30年以上で大規模修繕が1回以下の戸数も全体の22%に上るなど、管理の適正化も必要だ。

 国交省はこうした課題を踏まえ、地方自治体が管理組合・住民の負担を踏まえ、マンション管理に関与する必要性を指摘。自治体が外部専門家と連携する体制を構築したり、マンション管理の適正性が市場で評価されるための基準を設けることも提案した。

 マンション建て替え円滑化法の敷地売却制度の要件緩和も論点となる。敷地売却制度は、耐震性不足のマンションに限り、区分所有者の5分の4の同意があれば制度を活用できるが、この対象を耐震性不足以外にも拡大。老朽化によって居住者や近隣住民に危険が生じる恐れがあるマンションなども、制度を活用できないか検討する。大規模な団地型マンションでも老朽化が進んでおり、合意形成が困難になっているため、柔軟に建て替えが進むように要件緩和を検討する。