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働き方改革で会員調査、11%が4週8休導入 全建

 全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)が働き方改革について会員に行ったアンケート(8月1日現在)によると、既に「4週8休」を導入している企業が11.4%あった。また残業が最も多い3月の残業時間は、最も少ない5月の11倍に上っており、平準化の課題が浮き彫りになった。

 都道府県協会の会員を対象に8月1日現在の状況を調査。4288社が回答し、回答率22.5%だった。

 4週8休を目標に月ごとの休日を毎年1日ずつ増やそうと全建が推進している『休日月1+(ツキイチプラス)運動』では、11.4%が「既に4週8休制を導入している」とした。「取り組んでいる」も、前年の7.8%から13.6%に増えた。さらに39.2%が「取り組みを検討している」とし、計64.2%が積極的に対応していた。

 会社で定めた年間休日数は「116日以上」が10.1%(前年8.5%)、「101~115日」が33.2%(前年29.0%)に増加した。

 現場での週休の実施状況は「おおむね4週8休」が11.3%(前年9.2%)、「同4週7休」が11.1%(前年11.0%)に増加。「同4週6休」は50.2%(前年50.6%)、「同4週5休」は19.2%(前年20.2%)、「同4週4休以下」は8.1%(前年9.0%)に減った。

 また月間残業時間について各社の上位3人の状況を聞いたところ、68.4%(前年69.8%)が、時間外労働の上限規制に抵触しない「44時間以下」だった。しかし「100時間以上」の4.8%、「80~99時間」の5.0%を含め31.6%が、法で規制する45時間以上だった。

 上位3人の残業時間が多かった月は3月(延べ4101時間)で、2月(1629時間)が次いだ。3月の残業時間は、最も少ない5月(366時間)の11倍に上った。

 上位3人の年間残業時間は、73.9%(前年72.9%)が時間外労働の上限規制に触れない「359時間以下」だった。しかし「900時間以上」の2.6%、「720~899時間」の3.8%を含め26.1%が、法で規制する360時間以上だった。

 有給休暇の取得日数が少ない上位3人の状況では、「0日」が21.0%(前年23.5%)、「1~5日」が44.3%(前年42.1%)を占めた。4月からスタートした年間5日以上の義務化への対応が急務だ。

 有給休暇の取得促進策では、時季指定の義務化が影響し、「計画的な取得・付与」が47.1%を占め、前年の比べ倍増した。次いで「経営トップによる呼び掛け」(44.1%)、「半日・時間単位の付与」(43.6%)が多かった。

 下請けの技能者の処遇改善に向けた『単価引上げ分アップ宣言』の実施状況では、「取り組んでいる」が28.8%(前年16.7%)、「取り組みを検討している」が34.1%(前年31.0%)にアップ。直近1年間で実際に「引き上げた」とする回答が65.1%を占めた。

 また、直近1年間の職員の賃金では、「基本給を引き上げた」が55.6%、「一時金のみ引き上げた」が7.5%、「基本給・一時金とも引き上げた」が19.0%を占め、82.1%が何らかの引き上げを実施した。

 各職種に占める女性職員の割合では、技術者は4.6%で、前年より0.6ポイントアップした。技能者は1.7%で横ばいだった。

■8割超で65歳以上の人材活用

 今回の調査では「65歳以上の人材の活用」についても聞いた。65歳以上の職員を「雇用している」企業が83.3%を占めた。

 65歳以上の職員の雇用形態では「継続雇用制度」が73.3%と最も多かった。「65歳以上への定年の引き上げ」が13.2%、「定年の廃止」が9.4%で次いだ。

 65歳以上の職員の雇用での課題(複数回答可)では、「安全衛生確保」(41.3%)、「短時間勤務など雇用管理制度の改善」(26.7%)、「高齢者の職域拡大」(19.4%)、「作業設備の改善」(11.5%)などが挙がった。