スローガンは「健康づくりは人づくり みんなでつくる 健康職場」―。厚生労働省と中央労働災害防止協会は今年で70回目となる「2019年度全国労働衛生週間」(10月1日~10月7日)を実施する。19年4月1日に施行された改正労働安全衛生法を踏まえ、労働時間の状況の把握や長時間労働者に対する医師の面接指導などの実施、時間外・休日労働の削減、年次有給休暇の取得促進などによるワーク・ライフ・バランス(WLB)の推進を促し、事業者と労働者が連携・協力して過重労働による健康障害防止に向けた取り組みを進める機運を醸成する。
同省によると、化学物質に起因する労働災害は年間450件程度で推移している一方で、法定の化学物質を取り扱う事業場におけるリスクアセスメントの実施率は52.8%、ラベル表示とSDS交付の実施率はそれぞれ77.3%、69.1%にとどまっている。
また、過去の石綿ばく露によって石綿関連疾病を発症したとして労働災害補償保険の支給が決定された件数は1000件前後で推移。このうち500件超を建設業が占めている。
石綿含有建材を用いて建設された建築物も多数現存し、2028年頃に解体工事のピークを迎えるとの推計(国土交通省)もあるが、不適切な事前調査や飛散防止措置が行われている事例が散見されている。
同省が行った「労働安全衛生調査(2017年)」によると、仕事や職業生活に関する強い不安、悩みまたはストレスを感じる労働者は依然として半数を超えているにも関わらず、メンテルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合は58.4%にとどまっている。