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盛土高台の設置場所を変更 総合運動公園津波避難施設

 宮崎県は、総合運動公園内(宮崎市熊野)に整備する津波避難施設整備の計画内容を一部変更する。第一陸上競技場を中心とするBエリアに整備する盛土構造の高台の場所を変更し、第一陸上競技場に隣接した避難デッキを新たに計画に盛り込む。避難デッキの新設等に伴い、18~38億円としていたBエリアの概算事業費は、10億円増の28~48億円となる。

 「スポーツランドみやざき」の中心施設である総合運動公園は、年間約139万人が利用しており、二巡目国体に向けて更なる利用者の増加が見込まれる。一方で、今後30年以内に大地震が発生する可能性が高まっていることから、避難困難者が生じる可能性がある敷地内の各エリアに新たな津波避難施設を整備する。

 当初の計画は、サンマリンスタジアムを中心とするAエリアに避難デッキ2基と連絡橋、第一陸上競技場を中心とするBエリアに盛土構造の避難高台、テニスコートや運動広場を中心とするCエリアに避難デッキ2基を整備するもの。県では、これらの施設整備に係る概算事業費を約42億円~62億円と概算していた。

 このうちBエリアに整備する盛土構造の高台に関しては、第一陸上競技場の東側にある民有保安林内への設置を計画しており、整備予定地の地権者である自治会に対して説明を重ねてきたが、設置場所の変更に係る地元の要望を受け、当初の計画で整備を進めることが困難となったため、計画内容を変更することを決めた。

 新たな計画では、公園内に於ける避難の優位性や経済性、通常利用を考慮し、盛土高台の設置場所を第一陸上競技場西側の中央広場に変更。さらに、第一陸上競技場メインスタンドに隣接した避難デッキ2基を整備し、メインスタンドでの避難収容人数を増やすことで、盛土高台と合わせてBエリアの収容人数を確保する。

 盛土高台の材料となる土砂は、東九州自動車道や河川掘削工事で発生する土砂に加え、宮崎港の土砂等で確保する方針。当初の計画で18~38億円としていたBエリアの概算事業費は、場所変更に伴う盛土高台の事業費が20~40億円、メインスタンドの避難デッキ2箇所が8億円となり、合わせて10億円を増額する。

 Aエリア及びCエリアの計画内容に変更はない。今後の見通しとして、Aエリア及びCエリアに関しては早急に工事に着手する方針。計画内容を変更するBエリアの盛土高台及び避難デッキについては、早急に調査・設計に着手し、早期の完成を目指すこととしている。