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建築甲子園でベスト8に入賞 日向工高生に表彰状を贈呈

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▲写真は表彰式の模様

 公益社団法人日本建築士会連合会と都道府県建築士会が主催する2018年の「建築甲子園」で、宮崎県立日向工業高等学校が2012年の第3回大会以来、2回目のベスト8に入賞した。1月30日に一般社団法人宮崎県建築士会の松竹昭彦会長らが同校を訪ね、チームで参加した建築科の3年生5人と監督、学校に表彰状を手渡した。

 建築甲子園は、建築教育課程のある全国の工業高校、高等学校、工業高等専門学校を対象としたコンペで、2010年に創設された。9回目となる今大会では、前年同様「地域のくらし」を基本テーマに、地域の環境に多大な影響を及ぼしている空き家や古い建物の活用・再生など「リノベーションの可能性」に関する提案を求めた。

 各都道府県の建築士会が行った審査(県大会予選)を通過した34作品を対象に、東京藝術大学名誉教授の片山和俊氏を委員長とする全国選手権大会審査委員会が提案内容を審査し、優勝、準優勝、ベスト8、審査員特別賞、奨励賞を決めた。審査の視点は、テーマの理解度や提案度、具体性、独創性、表現力(プレゼンテーション)など。

 ベスト8に入賞した日向工業高校の作品タイトルは「語り継がれる風景~倉からランドスケープへ~」。意匠的に優れた地域の石倉が後継者不足等で姿を消してしまうことを課題に掲げ、分散している石倉を曳家で1箇所に集約し、キャンプ場のコテージや店舗、作業場等として、また、地域の観光資源として活用することを提案した。

 チームを組んだ甲斐康大さん、鎌野裕大さん、竹田悠馬さん、野本優範さん、溝口潤弥さんの5人は、門川町内に現存する石倉の現状を調査。チームの監督である坂本譲司教諭の指導の下、石倉の立面図やキャンプ場の配置図の作成、説明文章の作成、デザインの構成、CAD製図などを分業して行い、半年をかけて提案をまとめた。

 生徒達は、「石倉が使われずに放置されているのはもったいない。何とかして利用できないかと思った」「アイデアを伝えるために文章やイラストを工夫した」などと作成時のエピソードを披露するとともに、「まだ実感がわかないけれど、皆で協力した作品が認められて嬉しい」と入賞の喜びを語り、アイデアの具現化に期待を寄せた。

 松竹会長は、「私たちの仕事の目的は、単にモノを造ることではなく、人々が生活する環境を造ること。それを忘れずに、同じ学校で学んだ仲閒として、時にはライバルとして、切磋琢磨しながら頑張って欲しい」とエールを送った。