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体育館・プール整備へ基本計画の素案示す 宮崎県

 2026年(平成38年)の国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会(以下、2巡目国体)の本県開催に向けて、宮崎県は大会の主会場となる県体育館及び県プールの整備に係る基本計画の素案をそれぞれまとめ、ホームページで公開した。施設基準等を踏まえたそれぞれの施設の規模イメージや概算事業費、事業手法、整備スケジュールなど、各施設の整備に係る基本的な考え方を示した。2月20日まで素案に対する意見を募集する。

 総合運動公園をはじめとする県有体育施設の多くは、経年による施設や設備の老朽化が進んでいるほか、国体開催に必要となる施設基準を満たしていないなどの課題を抱える。このため、国体の主会場と位置付ける陸上競技場を都城市山之口運動公園に、体育館を延岡市民体育館敷地に、プールを宮崎市内にそれぞれ整備する。

 人口減少時代を迎え、地方創生が大きな課題となる中、2巡目国体に向けた施設整備に於いても将来の本県の発展を見据えて取り組む必要があることから、各施設については▽スポーツの振興▽地域づくり▽災害への備え―の3つの視点を踏まえ、各市や競技団体等の意見を聞きながら、スポーツランドの拠点形成を目指す。

*県体育館整備基本計画(素案)

 基本計画の素案によると、延岡市民体育館敷地に整備する体育館に関しては、既存の市民体育館を廃止し、メインアリーナとサブアリーナを整備する考え。まず、サブアリーナを建設し、供用後に既存の市民体育館を取り壊し、その後にメインアリーナを建設するなど、段階的に整備を進めることで、既存の市民体育館の利用に配慮する。

 メインアリーナの面積は約3040m2(69m×44m程度)で、観客席は固定2千~3千席、可動1千~2千席を検討。サブアリーナは約1700m2(47m×36m程度)で、観客席は最大800席程度を検討する。また、多様な使い方ができる多目的室(概ね400m2~600m2程度)やその他の必要諸室の設置を検討する。

 国体の競技会場として使用された先催県の事例を基に、体育館(メイン及びサブアリーナ)の概算事業費を約70億円と試算するほか、既存体育館の解体や用地造成、外構に係る費用として約15億円を見込む。施設の整備は従来型手法(公設)で実施し、維持管理に関しては指定管理者制度の活用を基本として検討を進める。

 整備スケジュールによると、30~31年度に測量・地質調査等を進めるほか、31~32年度に施設整備に係る基本・実施設計を行う予定。その間、農地転用等の手続きや造成設計も行う。既存施設の解体と合わせて造成工事を進め、33~34年度にサブアリーナ建設工事、35~36年度にメインアリーナ建設工事を行う。

*県プール整備基本計画(素案)

 一方、宮崎市内に整備を計画するプールに関しては、JR宮崎駅近傍に位置し、良好なアクセス環境にある宮崎市錦本町県有グラウンドを建設予定地とする。プール及び駐車場の建設場所以外の土地(約4万2000m2)を有効活用できる方法や、県総合運動公園に整備されている現在のプールの扱いについて引き続き検討する。

 施設の規模に関しては、日本水泳連盟公認の国内一般AA基準に準拠した競泳用の50mプール(10レーン)と25mの補助プール(6レーン)、必要な諸室等を整備する。観客席は仮設を含めて2500席程度。平面イメージ等を踏まえた施設の階数を地上3階地下1階、延床面積を1万1880m2程度と想定する。

 新施設は、水球競技が実施可能なプールとするほか、競技だけでなく、県民の健康増進や心身のリフレッシュにも対応できる機能を検討する。なお、飛込及びアーティスティックスイミング競技については、国体開催時には県外施設の活用を検討し、それぞれの専用プールは整備しない。

 国体で水泳競技会場として使用された先催県の事例を基に、全屋内として整備した場合の概算事業費を70~90億円、半屋内(50m屋外、25m屋内)として整備した場合の概算事業費を30~50億円とそれぞれ試算するほか、駐車場や歩道、植栽等の外構整備費として約8億円を見込む。

 事業手法に関しては、PFI手法を導入した他県での類似事例が増加傾向にあることや、民間との連携整備の可能性を探る官民対話(サウンディング)で、多数のグループから様々な意見があったことを踏まえ、設計・建設から維持管理・運営までを一括して民間事業者が実施する「PFI方式」を候補に検討を進める。

 整備スケジュールによると、30~31年度に測量・地質調査等や事業手法の検討を実施。仮にPFI方式を導入する場合には、31~32年度にかけて事業者の選定を行う。PFI事業では、33~34年度に施設整備に係る基本・実施設計、35~36年度に建設工事を行うことを想定している。