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インフラフォトコンテスト、入選作品を表彰 推進機構

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▲写真は表彰式、講演会の模様

 宮崎県と公益財団法人宮崎県建設技術推進機構が共催する美しい宮崎づくり講演会~技術で創る「美しい宮崎」~が1月21日に宮崎市内で開かれた。建設技術推進機構が主催した「ディスカバー宮崎インフラフォトコンテスト」の表彰式や景観に関する講演を通じて、参加者が美しい宮崎づくりに対する理解と見識を深めた。

 インフラフォトコンテストは、県内で施工中または既に竣工した構築物及び建築物等の魅力を捉えた作品や、県内の工事現場で「生き生きとした姿」「人間味あふれる姿」「真剣な姿」で働く人々を捉えた作品を募集。144点の応募作品の中から、厳選な審査の結果、最優秀賞2点、優秀賞4点、入選20点を決定した。

 物の部の最優秀賞に選ばれた沼口一朗さんの作品/SUNRISEは、朝日を浴びて見事なオレンジ色に染まる橋脚を捉えた一枚。審査委員長を務めた中島雅隆氏は、朝日とその影の対比が橋脚の編み目をしっかりとあぶり出し、コントラストの効いた構造で橋梁の美しさや力強さ、複雑さ、頑丈さを表現していると講評した。

 一方、人の部の最優秀賞に選ばれた田上幸喜さんの作品/「うき・はく離」をたたき落とすは、トンネル内部で働く技術者の作業模様を捉えた一枚。光の当たり具合を調整し、表情や手元などの重要な箇所をしっかりと写すなどして、人命に関わるトンネル内部での作業や真剣な表情を上手く捉えていることを高く評価した。

 このほか、物の部の優秀賞には海野礼夢さんの「陽を受ける風の力」と相良匠海さんの「metallic」、人の部の優秀賞には藤元勇貴さんの「笑顔の時間」と竹下加奈子さんの「連携職人」が選ばれ、最優秀賞及び優秀賞を受賞した6人に対し、宮崎県建設技術推進機構の東憲之介理事長から表彰状と賞金が贈られた。

 主催者を代表して挨拶した宮崎県県土整備部の松元義春次長は、インフラ整備に於いて景観に配慮した工事を行うことは、美しい宮崎づくりに向けた大きな柱の一つであるとの考えを示し、会を通じて「公共施設が創り出す景観、それらを創り・守る技術、それに関わる技術者に対する関心や理解を深めて欲しい」と述べた。

■美しい宮崎づくり推進へ講演会

 第2部では、景観デザインやまちづくりに関する研究及び教育活動、自治体の事業支援等に取り組み、携わった事業が都市景観大賞やグッドデザイン賞を受賞するなど高く評価されている熊本大学くまもと水循環・減災研究教育センター准教授の星野裕司氏を講師に招き、「水辺の風景デザイン」をテーマに講演を行った。

 星野氏は宮崎市が進める小戸之橋架替事業にも参画。新橋竣工までの通行止めとなる約7年半をプラスとして捉え、演奏会等を催したさよならフェスティバル、市民をモデルにプロカメラマンが旧橋と新橋をバックに撮影するフォトストーリー、市内の若手アーティスト達による魚群アート等に取り組んだことを紹介した。

 また、景観に配慮したインフラ等を構築する上で、地域とのコミュニケーションを図り、工夫をしながら、地域に愛されるものを造っていくことの重要性を指摘。人とインフラ、自然とインフラの関係を考えるための視点を、自身が携わった熊本駅周辺都市デザインや曽木の滝分水路、白川・緑の区間のデザインを例に解説した。