国土交通省は、2019年度の概算要求に、建設業法改正に伴う「専門工事共同施工制度(仮称)」と「技士補(仮称)」の創設、監理技術者の専任義務の緩和に向けた調査費3300万円を盛り込んだ。いずれも、中央建設業審議会・社会資本整備審議会の基本問題小委員会がまとめた中間報告で提言された施策で、技術者制度を見直し、技術者の長時間労働の是正、生産性向上、担い手確保につなげる狙いがある。
専門工事共同施工制度では、500万円以上の工事を請け負う全ての下請けに求められる主任技術者の配置を緩和する。上位下請けの主任技術者が専任で施工管理の役割を担えば、同じ業種の下位下請けに主任技術者の配置を求めない仕組みとする。
技士補は、技術検定の学科試験のみの合格者に与える新たな資格。実地試験の受験資格である実務経験を積む前に技士補の資格を取得できるため、施工管理技士の資格を階層化し、若年層の資格取得や入職に対する意識を高めることが期待できる。
この技士補を活用し、監理技術者の専任義務を緩和することも検討している。請負金額3500万円(建築7000万円)以上の工事には、監理技術者の専任義務があるが、技士補を「監理技術者補佐(仮称)」として配置すれば、別の現場との兼務も認める。
いずれの制度も、建設業法改正を前提としており、改正後に政省令、通知によって制度の詳細を固める必要がある。19年度に行う調査で、施工体制や技術者配置の実態を把握し、政省令の改正に反映させる。