建設ネット企画画像 四角 四角

民間提案の受付期間を延長 旧都城市民会館保存活用

 世界的な建築家の故菊竹清訓氏が設計し、建築学的に価値の高い旧都城市民会館に関して、市は保存活用等に関する民間からの提案期間を平成31年1月末日まで延長する方針を固めた。期間内に既存施設を改修して活用する確実な方策の提案がない場合、平成31年度当初予算に解体費用等を計上する考えでいる。

 RC造の下部構造にトラス梁を放射状に並べた屋根を有する旧都城市民会館は、新たな総合文化ホールの開館を契機として19年3月に閉館した。解体の方針を固めた直後、既存施設の活用案を示した南九州学園と使用貸借契約を結んだが、保存活用に多額の費用が必要になることなどから現在は市に返還されている。

 施設の老朽化によるリスクが顕在化し、周辺住民の不安が増大していることを踏まえ、市は閉館直後の解体予算可決という市議会の意思を尊重する一方、民間団体が財源確保に目算のある保存活用の提案を行うのであればこれを尊重する考えを示し、8月15日まで民間提案を受け付けていたが、期間内に採択できる提案はなかった。

 アンケートに回答した多くの市民が「解体」の意向を示したことから、施設の建築学的価値を主張する日本建築学会に「解体もやむなし」との意向を伝えたところ、「民間提案期間を延長して欲しい」「最大限の努力で民間企業の参画を働きかける」といった文書が寄せられたことから、これを受け入れ、提案期間を延長することを決めた。

 提案に際しては保存活用の実現性や財源確保の確実性(維持管理を含む)を重視する。求める提案内容は▽具体的な保存活用等(改修含む)の案▽保存活用の事業主体▽保存活用による効果▽保存活用に要する財源▽財源の確保計画▽施設の管理体制―とする。資格要件は法人格を有する団体であることなど。

 日本建築学会がまとめた専門的な見地からの検討結果などの参考資料は都城市のホームページで確認できる。申し込み及び問い合わせ先は、都城市総合政策部総合政策課政策企画担当(電話0986-23-7161、メールplanning@city.miyakonojo.miyazaki.jp)。

旧都城市民会館の今後の方針(要旨)