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大淀川左岸など12事業、新規採択へ事前評価 農水省

 農林水産省は、平成31年度の新規採択を要求する全国の12事業について事前評価を行い、いずれも「事業の必要性が認められる」とする評価結果をまとめた。事前評価を行った事業は、▽国営かんがい排水事業7地区▽国営農地再編整備事業1地区▽国営総合農地防災事業2地区▽水資源機構事業1地区▽直轄地滑り防災事業1地区―の12事業。国営かんがい排水事業では、本県の大淀川左岸(宮崎市外)と川南原(木城町外)が対象となった。

 国営かんがい排水事業大淀川左岸地区は、本県中心部に位置する宮崎市、小林市、綾町にまたがる1632㌶の農業地帯において、農業水利施設の機能を保全するための整備を行うことにより、農業用水の安定供給、農業水利施設の維持管理の費用と労力の軽減及び施設の長寿命化を図り、農業生産性の維持や農業経営の安定に資する。

 現時点に於ける総事業費は20億円。主要工事計画と事業費は、▽広沢ダム管理施設改修(1箇所)8億8000万円▽広沢ダム取水施設改修(1箇所)3900万円▽漆野原第1号幹線水路改修(0.6㎞)4億1500万円▽幹線導水路改修(1.1㎞)1億円▽水管理システム改修(1箇所)5億6600万円―を見込む。

 事業を通じて用水施設の機能が維持されることで、事業を実施しなかった場合と比較して、年間17.1億円相当の作物生産量の増、4.8億円相当の農作物の品質の向上、1.9億円相当の営農経費の減、1.4億円相当の地域用水効果、1.2億円相当の水源かん養効果など、合計で28.7億円相当の事業効果を見込む。

 一方、国営かんがい排水事業川南原地区は、本県中央部に位置する木城町及び川南町にまたがる659㌶の水田地帯において、農業水利施設の機能を保全するための整備と耐震のための整備を一体的に行い、農業用水の安定供給、農業水利施設の維持管理の費用と労力の軽減及び施設の長寿命化を図る。

 現時点に於ける総事業費は21億円。主要工事計画と事業費は、▽主要幹線用水路改修(6.1㎞)18億7100万円▽通山幹線用水路改修(0.3㎞)1億5100万円▽竹浜幹線用水路改修(0.4㎞)7800万円―を見込む。

 事業を通じて用水施設の機能が維持されることで、事業を実施しなかった場合と比較して、年間3億円相当の作物生産量の増、600万円相当の農作物の品質の向上、300万円相当の営農経費の増、1400万円相当の維持管理に係る経費の増など、合計で3.4億円相当の事業効果が見込まれ、農業経営の安定が図られる。

 その他の事前評価の対象事業は次の通り(数字は総事業費)。
〔国営かんがい排水事業〕▽お茶の水(北海道岩見沢市他)―44億円▽滴石川沿岸(岩手県矢巾町他)―15億円▽角田(宮城県角田市)―59億円▽成瀬皆瀬(秋田県横手市他)―85億円▽寺間(岡山県笠岡市)―23億2200万円
〔国営農地再編整備事業〕▽旭東(北海道旭川市)―494億円
〔国営総合農地防災事業〕▽河北潟周辺(石川県金沢市他)―390億円▽児島湾沿岸(岡山市他)―260億円
〔水資源機構事業〕▽成田用水施設改築(千葉県成田市)―181億円
〔直轄地滑り防止事業〕▽志戸前川(岩手県雫石町)―50億9400万円。