国土交通省は9月3日、BIM/CIMの導入を拡大するための要領・基準類や実施体制を検討する「BIM/CIM推進委員会」の初会合を開いた。国交省は、地方整備局ごとに1~2事務所を「BIM/CIM活用モデル事務所」と位置付け、BIM/CIMで作成した3次元モデルを一貫して活用する体制を構築する。「CIM導入ガイドライン案(仮称)」を改定し、BIM/CIMの対応工種に「下水道」「砂防・地すべり」を追加する方針も示した。
「CIM」の名称を「BIM/CIM」に変更、統一したことに伴い、これまでの「CIM導入推進委員会」も「BIM/CIM推進委員会」に改めた。委員会には「ガイドライン・要領基準改定」「実施体制検討」「国際標準対応」「活用促進」の四つのワーキンググループを設け、具体的な施策を検討する。
2018年度は、各地整に「BIM/CIM活用モデル事務所」を設置し、BIM/CIMで作成した3次元モデルを設計から施工に確実に受け渡し、プロジェクト全体での生産性向上に取り組む。モデル事務所では、BIM/CIMを設計・工事の発注段階で積極的に活用する他、受注者からの提案も積極的に受け付ける。現場での課題を要領、基準類の改定に反映できるようにする。
17年度に設備、地質・土質調査を追加した「CIM導入ガイドライン案(仮称)」は、18年度に再度改定し、下水道、砂防・地すべりの2分野を追加する。土構造・コンクリート構造・鋼構造に対応した「土木工事数量算出要領(案)」も見直し、3次元モデルからの数量算出に対応できる工種を増やす。
3次元モデルを設計図書とするため、直轄事業の契約書・仕様書の改定も検討する。直轄事業の電子契約の試行に合わせ、3次元モデルを契約図書とする際の要領もつくる。BIM/CIMで活用する部材などのオブジェクトの活用方針も決める。
さらに、BIM/CIMに精通した技術者を受発注者双方で育成する。研修カリキュラムに最低限必要な要素を「BIM/CIM学習認定プログラム(案)」にまとめ、認定を受けた研修を受講した受注者にインセンティブを与えることも検討する。