小林市は、管理市道の長寿命化やライフサイクルコストの縮減、予算の平準化による財政健全化を目的とした「舗装長寿命化修繕計画」及び「道路法面・構造物長寿命化修繕計画」(平成30年8月)を策定した。予防保全型の維持管理を行うことで、市民の安全・安心を確保し、維持管理費の縮減・平準化につなげる。
小林市が管理する市道(総延長=約180㎞)の多くは建設から多年が経過しており、これまでに市が行った路面性状調査や道路施設の点検・判定に於いて、全市道の33.9%(約61㎞)で早急に舗装の修繕が必要であることや、盛土法面8箇所で補修を必要とする損傷が生じていることが確認されている。
今後、膨大な舗装や法面、擁壁等の構造物が老朽化することで、重大事故の発生、市民生活への影響と社会的な損失、大規模修繕や更新に伴う膨大な財政支出が懸念される。維持修繕費の縮減・平準化を図り、必要な予算を確保するため、新たに予防保全型の手法を取り入れた長寿命計画を策定・運用する。
新たに策定した「舗装長寿命化修繕計画」及び「道路法面・構造物長寿命化修繕計画」では、定期的な点検を通じて損傷が軽微な状態のうちに発見及び修繕を行うことでこれらの長寿命化を図るとともに、損傷状況や路線の重要度等を踏まえた優先順位および目標管理水準を設定し、効率的な維持管理と適切な修繕対策を行う。
舗装に関しては、日常的な通常点検や5年に1度の定期点検等を行うとともに、ひび割れやわだち掘れ、路面凹凸等の損傷状況や道路の優先順位に応じて、路床・路盤から打換える構造的対策、表層のみ打換える機能的対策を講じる。維持修繕予算を平準化(約2億円/年)することで、工事集中による財政圧迫を軽減する。
一方、道路法面・構造物に関しては、管理市道の道路施設150箇所(切土法面、盛土法面、擁壁工)を種別や工種に応じて5つのグループに分類。日常点検や1年に1度の簡易点検、定期点検を実施するとともに、修繕対策の優先順位を踏まえ、法枠工、コンクリート吹付工、ブロック積補強工などの修繕対策を講じる。