▲写真は挨拶する中澤会長、点検活動の模様
宮崎県コンクリート診断士会(中澤隆雄会長)は8月31日、宮崎市の平和幼稚園で「ブロック塀点検ボランティア活動」を行った。活動には中澤会長をはじめとする多数の会員が参加。目視や打音検査、電磁波による鉄筋探査を通じて、園を囲むブロック塀の安全性を確認した。
今年6月に発生した大阪北部地震では、ブロック塀の倒壊によって2人が死亡した。重大な被害が生じたブロック塀は、補強コンクリートブロック造か組積造で、いずれも建築基準法の構造基準に適合していなかった。
事故を受けて国土交通省は、学校施設のブロック塀の安全点検を特定行政庁に要請したほか、学校以外のブロック塀についても安全点検のためのチェックポイントを所有者向けに公表。自治体もブロック塀の撤去等に対する補助制度を創設するなど、ブロック塀の安全性に対する関心が高まっている。
コンクリートの診断及び維持管理に係る専門家集団である宮崎県コンクリート診断士会は、会に於ける社会貢献活動の一環として、また、ブロック塀点検に関する会員の知識及び技術の習得を兼ねた点検活動の実施を宮崎県幼稚園連合会に打診。承諾を得た平和幼稚園で試験的に点検を行った。
参加者は、国交省がまとめたチェックリストをもとに、ブロック塀の高さや幅、倒壊を防ぐ控え壁及びコンクリート基礎の有無、傾きやひび割れなどを目視で確認。打音検査でコンクリートの劣化状況を確認したほか、電磁波レーダー及び電磁誘導の探査機器で内部の配筋状況を調べた。
園の関係者は「古いブロック塀なので安全性は気になっていた。専門家に見てもらえてありがたい」と話した。中澤会長は「利用者の安全・安心の確保、診断士の育成を含め、会としてできることに取り組んでいきたい」と述べ、今回の活動結果を踏まえて内容を充実させ、今後も点検を継続する考えを示した。