建設ネット企画画像 四角 四角

国体施設整備、延岡の体育館は2案検討 宮崎県

 2026年(平成38年)の国民体育大会・全国障害者スポーツ大会の開催に向けて、宮崎県は大会の主会場となる各施設整備の進捗状況を明らかにした。延岡市に整備する体育館に関しては、①メイン・サブアリーナをそれぞれ新設②既存の市民体育館をサブアリーナと位置付けてメインアリーナを新設―の2案について検討を進める考え。一方、都城市に整備する陸上競技場に関しては、先に示した素案から大幅な変更は行わずに基本計画をとりまとめる見通しでいる。

 総合運動公園をはじめとする県有の主要体育施設の多くは、経年による施設や設備の老朽化が進んでいるほか、国体開催に必要となる施設基準を満たしていないなど多くの課題を抱えている。このため、国体の主会場と位置付ける陸上競技場を都城市山之口運動公園、体育館を延岡市民体育館敷地、水泳場を宮崎市内にそれぞれ整備する。

 このうち、延岡市民体育館敷地に延岡市と共同で整備する体育館に関しては、メインアリーナの規模を延床面積1万4000m2程度、サブアリーナの規模を現在の第1~3別館と同程度(延床面積1000m2程度)と想定。観客席は、固定席2000~3000席、可動席0~2000席の合計2000~5000席程度を想定している。

 これらの施設整備に関して、①既存の市民体育館を廃止した上で、その機能を新しい施設に担わせ、メインアリーナとサブアリーナを新たに整備する②既存の市民体育館をサブアリーナと位置付け、メインアリーナを新たに整備する―の2案を検討する。①の案に関しては、建設工事期間中の市民体育館の利用について配慮する。

 現体育館の駐車場が不足している状況を鑑み、敷地内及び近隣地に800台程度の駐車スペースも確保する。県では今後の検討結果等を踏まえ、今年11月頃に施設整備に係る基本計画の素案を整理し、平成31年1月にパブリックコメントを実施。同年2月~3月に基本計画をとりまとめる考えでいる。

 一方、山之口運動公園に都城市と共同で整備する陸上競技場に関しては、8月に示した素案から大幅な変更は行わずに基本計画をとりまとめる。公園区域を現在の約11㌶から約22㌶に拡張し、主競技場や補助競技場、投てき練習場、駐車場を整備する方針。今後、基本計画をとりまとめた上で、造成及び主競技場設計の発注準備を進める。

 主競技場は第1種陸上競技場の最新公認基準(敷地面積約3万2000m2程度)に基づいて整備。収容人数は1.5万人以上とし、国体開催時に3万人を収容できるよう仮設対応を検討する。補助競技場は第3種陸上競技場の最新公認基準(同約2万4000m2程度)に基づく施設とするほか、投てき練習場の敷地面積は約1万4500m2程度とする。

 宮崎市内に整備する水泳場は、国際プール基準を満たす屋内型の競技プールと、一般プール基準を満たす原則屋内型の補助プールを想定。2000席~2500席の観客席(一部仮設可)を設け、延床面積の合計を1万m2程度と概算する。錦本町の県有グラウンドや熊野の県総合運動公園を建設予定地としている。

 官民連携による施設整備の可能性を探る民間事業者との対話(サウンディング調査)では、錦本町の県有グラウンドの方が官民連携整備の可能性が高いとの意見が多数を占めた。対話の結果等を踏まえ、11月頃に基本計画の素案を整理し、31年1月にパブリックコメントを実施。同年2月~3月に基本計画をとりまとめる。