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近く設計デザインを公募へ (仮称)道の駅北郷の整備計画

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▲施設整備のスケジュール案

 日南市は9月19日、(仮称)道の駅北郷の整備に係る市民説明会を北郷町内で開き、施設整備の方向性等を地域住民に示した。休憩機能や情報発信機能、地域連携機能等を備えた施設の規模を900~1000m2程度と概算し、近く施設の設計デザインを公募する予定でいる。運営組織の選定や施設整備に係る設計・工事等を年次的に進め、最終的に平成34年度の開業を目指す。

 東九州自動車道の関連施設として、道の駅として認定されるための機能に地域の実情を踏まえた付加機能を加えた施設を市が整備する。基本計画では、▽市全体へ観光や消費等の波及効果を及ぼす施設▽北郷地区の経済活性化及び観光振興に寄与する施設▽福祉・協働等のまちづくりの拠点となる施設―を目指す施設ビジョンに掲げる。

 国土交通省から道の駅としての認定を得るため、新施設には普通車・大型車・障がい者用で計116台程度の駐車場やトイレといった「休憩機能」、道路情報や市全体の観光情報、医療情報等を発信する「情報発信機能」、物販・飲食・学習施設等の「地域連携機能」を設け、施設や施設間を結ぶ主要経路のバリアフリー化を図る。

 敷地内にはこのほか、親子が楽しめる複合遊具の配置を計画するほか、地域コミュニティバスの停留所や災害時用の仮設トイレ等を備蓄する防災倉庫の設置、サイクリング機能の付加も検討する。建築物には地元産材である飫肥杉を活用し、施設と周辺の風景が一体となったグランドデザインにも配慮する。

 整備エリアは、旧北郷町総合支所や北郷農村環境改善センター等が立地する北郷町郷之原の敷地(約1万6000m2)。既存の総合支所庁舎と農村環境改善センター、林業会館は解体し、ふれあい交流センターはイベント等での活用を見据えて維持する。隣接する北郷図書館に関しても、機能の一部を新施設に移す予定でいる。

 これらの導入機能や県内及び市内の類似施設の整備状況を踏まえた新施設の規模を900~1000m2程度、事業費を約4~6億円(設計委託料を含む)と概算する。事業費の内訳は、新施設の建築工事が3~4億円程度、外構工事が1~2億円程度。また、既存施設の解体に係る概算事業費として1.7~2億円程度を見込む。

 説明会に参加した市民からは、温泉を活用した施設づくりや施設完成後の歩行者等の安全確保、隣接する北郷図書館のあり方などに関して意見や質問が寄せられ、市の担当者は関係課とも協議を重ねながらこれらを更に検討する考えを示した。また、市内に2つある他の道の駅と連携し、オール日南で取り組む姿勢が重要であることを確認した。

 デザインの質を高めるため、市は敷地全体の配置計画や鳥瞰パース図などの設計デザインを近くプロポーザル方式で公募する。応募のあったデザインの中から一次審査で市が数点を選び、通過したデザインを市民に公開。来年2月に予定するプレゼンテーションを踏まえて最優秀者を選定し、施設の基本設計までを委託する。

 施設整備に係るスケジュール案では、今年度に着手する施設運営者の選定と合わせて、平成31年度に既存施設の解体工事や外構工事に係る設計業務を進める見通し。計画が順調に進めば、既存施設の解体工事は32年度、新施設の建築工事と外構工事は32~33年度頃に行い、平成34年度中の開業を目指す予定でいる。