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生産性向上へ職場環境を改善 岡﨑組(宮崎市)の取り組み

 時間外労働の罰則付き上限規制等を盛り込んだ働き方改革関連法の成立を受け、建設業にも働き方改革の実行が求められる中、宮崎市の株式会社岡﨑組(岡﨑勝信代表取締役)は積極的に業務や作業のIT化を図るなど、生産性向上のための職場環境の改善に取り組んでいる。今年7月には、働きやすい職場として知事が認証する「ひなたの極(きわみ)」を取得した。管理部総務課の甲斐徹課長に同社の取り組みを聞いた。

 ―将来の担い手確保が喫緊の課題である建設業に職場環境の改善が求められている。

 「建設業としてだけではなく、一企業として取り組まなければならない命題。会社の方針や今後のビジョンを実現する上で、その中には働く人達がいる。その人達に良いパフォーマンスを発揮してもらうためには、働きやすい環境を構築する必要がある」
 「その中でも生産性を向上させることが重要。同じ利益、同じ完成工事高を目指すのであれば、いかに効率良くそれを達成できるか。単に労働時間を減らせば良いという訳ではなく、生産性を指標に効率の良い時間の使い方をすることが求められる」
 「例えば現場の掲示物の作成や購買関係など、技術者がしなくてもいい作業は沢山ある。それらを事務方で分業することで、技術者は空いた時間を自己研鑽やリフレッシュに使える。現場に集中することができ、結果として品質向上や安全にもつながる」

 ―「ひなたの極」では特に所定外労働時間の削減や有給休暇取得促進の取り組みが評価された。

 「クラウドツールを活用して従業員の出退勤を管理することで、リアルタイムで労働時間を『見える化』している。労働時間が多かった従業員と面談し、その原因を確認して不備があれば早急に改善するなど、問題が起きる前に対策を講じることができる」
 「スマホやタブレットでも打刻できるので、社内外のやりとりを可能な限りIT化することで、現場従事者も直行・直帰することができる。このほか、現場が仕上がった技術者には一定期間の休暇を取得してもらうよう、本人や部門長に要請している」
 「仕事と家庭の両立を図るため、休暇を取りやすい環境の構築にも努めている。従前の育児・介護休業制度は今の時代に合わせて見直し、男女問わず積極的に取得してもらうよう促している。子どもの看護休暇は有給にして、半日単位で取得できるようにした」

 ―これらの取り組みを通じて、優秀な人材の獲得にも力を入れている。

 「説明会等では『入社した人にどのような魅力があるのか』を伝えている。建設業が目指す新3K(給料、休日、希望)のみならず、モノが言いやすい雰囲気や自由な社風も若年層にとっては重要。そういった環境を作らなければ人材は入ってこない」
 「一方で、制度等に縛られず、その時々の従業員の状況やモチベーションに合わせて、柔軟に対応することも必要。既成概念に囚われず、従業員の意思を尊重したい。先にも述べたとおり、労働時間の削減が目的ではなく、生産性を向上させることが目的」
 「生産性を向上させるための一つの手段として、女性・男性・ベテラン・若手・外国人・障がい者など、誰もが最良のパフォーマンスを発揮できるステージをつくることが必要不可欠。そのために会社としてできることは全てやっていきたい」

【おわり】