国土交通省は、直轄工事の工種区分に「橋梁補修工事(仮称)」を新設する。橋梁補修工事の直轄工事での発注件数は増加傾向にあるが、発注される工種が「維持修繕工事」「一般土木工事」「PC工事」など複数にわたるため、過去の工事成績が反映されなくなる課題がある。2019年度から橋梁補修工事の発注工種を「維持修繕工事」に統一した上で、21・22年度の競争参加審査申請時に新たな工種区分を設ける方針だ。
現在は21工種ある直轄工事の工種区分に「橋梁補修工事」を新設する。橋梁補修工事は、07年度に全直轄工事で116件発注したが、その後の10年で発注件数が2倍に増加しており、橋梁の大規模更新時代を迎える今後、さらに発注件数の増加が見込まれる。
一方、07年度以降の10年間で発注された橋梁補修工事1001件の発注工種を見ると「維持修繕工事」が857件と8割以上を占めるものの、「一般土木工事」が89件、「鋼橋上部工事」が46件、「PC工事」が9件と、他工種での発注も散見される。
発注工種が異なると、過去の工事成績が反映されず、橋梁補修工事の受注者にその後の入札参加時のインセンティブが適正に働かなくなる。
19年度からは、当面の措置として、直轄工事における橋梁補修工事(鋼橋、PC)に対応できる工種を「維持修繕工事」に統一し、工事成績が適正に反映できるようにする。合わせて、工事難易度に応じた同種・類似実績、適切な地域要件の設定にも配慮する。21・22年度の競争参加資格申請時には新工種として「橋梁補修工事(仮称)」を新設する。