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女性目線で建設業の現状など説明 都城地区建設業協会

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▲写真は挨拶する宮島部長、出前講座の模様

 都城地区建設業協会女性部(宮島百合子部長)は8月2日、県立都城農業高等学校で女子生徒を対象とした出前講座を開講した。農業土木科の1年生から3年生までの女子生徒に、現場代理人や建築士、行政など現場の第一線で活躍する女性技術者が仕事の内容や現状などを説明し、将来の進路選択に役立ててもらおうとアドバイスした。

 女性の立場から土木や建築の役割、仕事の内容を説明することで建設業に対する関心を更に深めてもらうとともに、県内及び市内就職への気運を高めてもらうことが目的。宮島部長は、女性が活躍できる環境整備に業界全体で取り組んでいることを説明し、出前講座が「皆さんの進路に良い影響を与えることを期待している」と話した。

 講師を務めた女性技術者は、建設業に入職したきっかけや仕事の内容、自身の体験談を披露。市内の建設会社に勤務する女性は、現場作業だけでなく事務所での図面作成や積算など仕事の幅が広いこと、ICT化で次々と新技術が導入されていることなどを説明し、「建設業はこれからもっと働きやすくて面白い仕事になる」と強調した。

 都城土木事務所に勤務する女性は、一般的な仕事の流れを示した上で、災害対応等の有無で忙しさが変わること、小学校での出前授業など現場以外の仕事にも携わることができると話した。都城市役所に勤務する女性は、市民との距離感が近く、要望に応えて喜んでもらえることが嬉しい反面、苦情等も直接的に寄せられることを紹介した。

 結婚や育児に関する話題では、現場代理人に常駐義務があり、子供の学校等でイベントがある場合、家族の理解や周囲の協力が必要になることを説明。また、子供ができると状況が一変し、仕事を続けるためには子育てをサポートしてくれる存在が必要になることから、頼れる親族がいる地元で就職することも一つの方法などと話した。

 質疑では、参加した女子生徒が仕事をする上での喜びや苦労、入社当時の仕事内容、休日及び勤務時間を尋ねたほか、「女性技術者で良かったと思うことは」「学歴によって違いは生じるのか」「産休や育休はどのくらい取ることができる」「オシャレはどこまで許される」などと質問し、参加した女性技術者がそれぞれの立場から回答した。

 宮島部長は「働き手と雇い手の良好な関係の構築や女性が活躍できる職場づくりに皆で取り組んでいる。改善されると信じているので期待して欲しい」と呼び掛けた。市内の測量会社に就職を希望する女子生徒は「女性も働きやすい職場になっていることが分かって良かった。建設業で働くのが楽しみになった」と期待を膨らませた。

 生徒達への事前アンケートで官公庁への就職を希望する意見が多かったことから、出前講座ではこのほか、国土交通省九州地方整備局から出向している都城市土木部の巻木健三部長が国交省の仕事内容について説明。都城農業高校OBで、現在は都城土木事務所に勤務する男性職員も参加し、在学中に学んでおくべきことを助言した。