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外国人材の受け入れ拡大 建設業で新制度活用検討

 国土交通省は、建設業への外国人労働者の受け入れを拡大する方向で検討に入った。政府は、秋の臨時国会に入管法改正案を提出し、2019年4月に就労目的で外国人労働者を受け入れる新制度をスタートさせる方針。国交省は、新制度を活用し、建設業への外国人労働者受け入れを拡大することを検討。今後、法改正や政府の基本方針の決定に合わせ、入国する外国人に求める技能水準、日本語能力を検討し、建設業の業種別受け入れ方針を決める。

 7月24日に開かれた「外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議」の初会合で、石井啓一国交相が「建設業、造船・船用工業、宿泊業、自動車整備業、空港グランドハンドリングなどの分野で、人手不足に対応する必要があると考えており、新たな制度を活用した外国人材の受け入れについて、検討を進める」と表明していた。

 外国人労働者の受け入れを拡大するための新制度創設は、6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2018」(骨太の方針)に盛り込まれた。即戦力となる外国人に就労目的の在留資格を与え、最長5年の就労を認める。

 新たな在留資格を与える外国人には、技能水準、N4相当(ある程度の日常会話ができる)を原則とした日本語能力水準を業種ごとに定める。

 骨太の方針では、今回の新制度が移民政策とは異なり、受け入れの対象業種は生産性向上、国内人材の確保に取り組んでもなお人手が不足する業種に限定するとしている。ただ、外国人労働者の受け入れ拡大をめぐっては、国内人材の賃金、現場の安全管理の低下を招くとして、建設業界の中にも根強い慎重論がある。

 また、建設業の外国人受け入れを巡っては、既に東京五輪の開催に伴う建設需要の増加に対応しするため、20年度末までの時限措置として「外国人建設就労者受入事業」がある。19年4月に新制度がスタートした場合、二つの制度をどのように両立させるかを整理する必要もある。