建設産業専門団体連合会(建専連、才賀清二郎会長)は8月23日、国土交通省との2018年度の意見交換会を開いた。業界側からは、働き方改革で各現場に週休2日が導入されれば「4週8休により日給月給の技能者は年間50日分の日当が減額され、生活が成り立たない低収入になる」「営業利益率の低い小規模な専門工事業は新たな人材確保もままならない」といった懸念が示され、国交省に政策的な対応を求める声が相次いだ。
冒頭であいさつに立った才賀会長は「国、総合工事業、専門工事業を挙げて働き方改革に取り組む必要がある。技能者の賃金も含め、公共工事のみならず、民間工事でも同じ環境を整えてほしい」と要望。
国交省の野村正史土地・建設産業局長は、今年3月にまとめた『建設業働き方改革加速化プログラム』に触れ「プログラムの柱である『長時間労働の是正』『給与・社会保険』『生産性向上』の3分野で、従来の枠にとらわれない施策を展開していきたい」と改革推進に意欲を示した。
働き方改革関連法が成立し、時間外労働の上限規制が5年の猶予を経て建設業に適用される。時間外労働を削減するため、週休2日導入が喫緊の課題となっている。
これに関して日本室内装飾事業協同組合連合会の小坂田達朗会長は「日給月給制の技能者は4週4休であれば年間300日で年収を得ている」との前提を示した上で、「4週8休になれば総日数は250日となり、50日分の日当が減額される」と指摘。「5年後に全現場が週休2日となれば、若者の入職どころか、今働いている技能者もこの業界から去っていく」と危機感を示した。
また、日本型枠工事業協会の三野輪賢二会長は、直轄の週休2日工事に導入された労務費補正について「4週8休の補正係数は1.05倍だが、われわれの調査では1.21倍の労務費が必要だ」と、補正係数の改善を求めた。
北村知久建設流通政策審議官は「民間発注者を巻き込んだ働き方改革が必要だ」と強調。「元請けにも、専門工事業が週休2日となるためにはこれだけの工期が必要だと発注者に主張してくれるようお願いしている」と続けた。