老朽化が進む役場庁舎の建て替えを計画する日之影町は、指名型プロポーザル方式で新庁舎建設に係る基本・実施設計業務の受託候補者の選定作業を実施。技術提案書の提出を求めた10者のうち、応募のあった4者の提案内容を審査した結果、最優秀者に株式会社綜企画設計(本社=東京都千代田区)を特定した。
経年劣化による建物や設備の老朽化に加え、機能の不備や耐震性の欠如など様々な課題を抱える役場庁舎に関して、住民サービス及び行政効率の向上を図るため、宮水地区の現町民センターと福祉館を解体し、跡地に庁舎と文化施設の複合施設として新設する。
町がまとめた基本計画では、施設整備の基本方針に①町民に開かれた誰もが利用しやすい庁舎②防災拠点となる庁舎③町民サービスの向上が図られ効率的な行政運営の場④議会活動を推進する場⑤環境にやさしいぬくもりを感じられる庁舎―を掲げる。
新庁舎の規模は、基本計画の中で総務省起債基準に基づく面積を3233m2、国土交通省新営庁舎基準に基づく面積を3557m2、他自治体庁舎に基づく必要面積を2725m2とそれぞれ算定。基本設計の中で庁舎機能等の具体化を図りながら詳細を決定する。
最優秀者に選定された綜企画設計の提案では、複合施設としての留意点や防災拠点施設としての業務継続性等が熟慮され、林業の振興や機能性が高いコンパクトな施設形態、町民が交流を図り、愛着が持てる文化施設であったことなどが高く評価された。
合わせて、新庁舎建設の全体スケジュールを十分に把握し、設計プロセスや的確なコストコントロール及びランニングコストの低減化に向けた取り組みも高く評価した。
新庁舎建設に係る概算事業費は約12億円を想定。基本計画で示した事業スケジュール案では、30~31年度に新庁舎の基本・実施設計、31~32年度に建設工事を行い、32年度末頃の完成を目指すこととしている。