オリエンタルコンサルタンツ(野崎秀則代表取締役社長)は、奈良県田原本町が管理する道路橋に対してECI(アーリー・コンストラクト・インボルブメント)方式による試行業務を実施し、その内容をまとめたガイドライン策定につなげた官民連携による業務成果を発表した。橋梁保全での同方式の採用は全国の自治体では初めて。
同社は自治体が管理している膨大な道路ストックに着目。特に橋梁保全事業で共通の課題となっている▽早期に補修対策を要する橋梁の保全事業の遅れ▽施工時の品質低下▽事業費の増加▽発注者負担の増加―などに対する解決策として、新しいECI方式の採用を同町に提案。同町が管理する3橋を対象とした試行業務を16年度に実施していた。
同社と同町はこの試行を通して、▽設計~施工完了までの事業期間の短縮▽施工段階における設計者の設計意図伝達とCM的役割による品質向上▽設計時からの足場共有によるコスト縮減▽三者協議会における迅速な対応・意思決定による職員の負担軽減―などの効果を確認。
その上で、同町が設置した検討会(委員長、山口隆司・大阪市立大学大学院工学研究科教授)の議論をサポートし、この試行結果を踏まえたECI方式導入のガイドラインの策定につなげた。
同社は、このガイドラインに基づいた試行を継続的に支援することでECI方式導入のあり方を確立し、全国の自治体に同方式の導入を提案していきたい、と話している。