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陸上競技場整備基本計画、素案まとめ意見募集 宮崎県

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▲陸上競技場の配置計画

 2026年(平成38年)に本県で開催予定の国民体育大会・全国障害者スポーツ大会に向けて、都城市の山之口運動公園に新たな陸上競技場を整備する宮崎県は、施設の整備内容や整備スケジュールを示した「県陸上競技場整備基本計画」の素案をまとめた。9月6日まで素案に対する意見を募集し、9月中に基本計画をとりまとめる予定でいる。

 総合運動公園をはじめとする県有の主要体育施設の多くは、昭和54年に開催された「日本のふるさと宮崎国体」の際に整備され、経年による施設の老朽化が進んでいるほか、現在の施設基準に適合していないなどの課題を抱えている。このため、建て替えが必要な陸上競技場、体育館、プールの主要3施設を新たに整備する。

 このうち陸上競技場に関しては、山之口運動公園の敷地を拡張した上で、主競技場や補助競技場、投てき練習場等を都城市と共同整備する方針。国体のメイン会場のほか、国体後もスポーツランドの拠点として大規模大会やスポーツキャンプの開催・誘致、競技力向上等を視野に入れた取り組みを都城市と連携して進める。

 主競技場は第1種陸上競技場の最新公認基準(敷地面積約3万2000m2程度)に基づき整備する。収容人数は1.5万人以上とし、国体開催時に3万人収容を確保できるよう、基本設計で仮設対応をベースに検討する。トラックは400m×9レーンの全天候型舗装で、電光掲示板や夜間照明設備、自家発電設備等を設置する。

 補助競技場は第3種陸上競技場の最新公認基準(同約2万4000m2程度)に基づく施設として整備。トラックは400m×8レーンの全天候舗装型とし、観客席の規模については基本設計の中で整理する。投てき練習場の敷地面積は約1万4500m2程度で、砲丸投や円盤投、ハンマー投、やり投に必要な設備を備えるものとする。

 これらの主要3施設及び駐車場を整備し、体育館は既存施設を活用する。陸上競技場の整備に伴い、既存の公園施設については現在の利用状況を踏まえ、移設や機能集約を行う。現在の運動公園の面積は約11㌶だが、新たに陸上競技場や駐車場の整備を行うことで敷地が不足することから、公園区域を約22㌶に拡張する。

 公園区域の拡張に伴う敷地造成に関しては、▽県道から公園内へのアクセス▽公園内の高低差に関する利用者の利便性▽公園内で残土処理―などの点を考慮する。駐車場に関しては、これまでに県内で行われた陸上競技大会の開催状況を踏まえ、既存の駐車台数336台を加えた1600台程度の駐車場スペースを敷地内に確保する。

 国体で開閉会式や競技会場として使用された先催県の事例から、主競技場の概算事業費を約100億円、補助競技場及び投てき練習場の概算事業費を約20億円と試算する。また、造成及び擁壁工事等を約40億円、雨水・配水等の調整や園路・植栽工事等を約20億円、駐車場(敷地造成・外構工事等)を約20億円と試算する。

 整備スケジュール案では、施設整備に必要となる都市計画手続や測量・地質調査等を30~31年度に行う方針。準備期間も含め、造成は30~31年度に設計と用地買収、31~33年度に工事を行う。陸上競技場及び公園等に関しては、30~32年度に基本・実施設計、32~36年度に建設工事を行う予定でいる。

県営陸上競技場基本計画素案