日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)は、会員企業を対象に行った女性の活躍推進に関する2017年度のフォローアップアンケート調査の結果をまとめた。2年前の15年度に1社平均6.4人だった女性の現場監督の数は約2倍の12人に増えた。全現場監督に占める女性の割合(女性現場監督が0人の会社は除く)は1.9%だった。一方、女性管理職の人数は1社当たり11.7人。全管理職に占める割合(女性管理職が0人の会社は除く)は1.5%にとどまり、他産業に比べ管理職への女性の登用の遅れが明らかになった。
日建連は14年度に女性活用のアクションプランなどを策定。その後、会員の取り組みについてフォローアップ調査を実施している。今回の調査は18年3~4月に実施。会員140社のうち94社が回答、回収率は67.1%だった。
女性の現場監督の人数は、前回44%を占めた「0人」の回答が22%に減少した。一方、「1~5人以下」が35%から43%、「6~10人以下」が4%から12%に増加。女性の現場監督としての活用が拡大していることが分かった。「51人以上」の会社は4社から5社に増えた。1社当たりの平均人数は12.0人だった。
また、1社あたりの女性の技術系従業員数は35.2人から40.1人に増加した。2年前に18%だった「0人」の会社は10%に減った。
全現場監督に対する女性の割合(女性現場監督が0人の会社を除く68社で集計)は、「1%未満」が26%、「1~2%未満」が31%、「2%以上」が43%で、平均1.9%だった。
また、全技術系従業員に占める女性の割合(女性技術系従業員が0人の会社を除く77社で集計)は、「1%未満」が12%、「1~2%」が30%、「2~5%」が44%、「5~10%未満」が13%、「10%以上」が1%で、平均3%だった。
国土交通省と建設業5団体は14年8月に『もっと女性が活躍できる建設業行動計画』を申し合わせ、その中で、5年以内に女性技術者・技能者を倍増させるとした。これを踏まえ、「今後どの程度、女性技術者を増やすか」を聞いたところ、「倍増は意識せず採用する」と「徐々に増やすが倍増まではいかない」が合わせて81%を占めた。「5年以内に倍増」は17%にとどまった。
現場での設備面の対応で、「現場事務所での女性トイレの設置をルール化している」会社は前回28%だったが、今回は47%に拡大した。更衣室についても40%がルール化している。
女性技術者が長く働き続けるための取り組み(複数回答可)は、「出産・育児をサポートする制度」(83%)、「介護をサポートする制度」(56%)、「意識改革のための社内研修」(32%)、「管理職への積極的な登用」(21%)の順で多く、いずれも2年前より増加した。また、女性が働き続けるための相談窓口を62%の会社が設置している。
一方、女性管理職の人数は「0人」が38%と最も多く、「1~5人以下」が36%、「6~10人以下」が10%で次いだ。一方、「51人以上」というも5%あり、1社当たりの平均は11.7人だった。
全管理職に対する女性管理職の割合(女性管理職が0人の会社を除き72社で集計)は、「1%未満」が54%、「1~5%未満」が40%を占め、平均1.5%にとどまった。
女性役員のいる会社は19%で、いない会社が80%を占めた。