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県土強靱化へ1兆円以上必要 宮崎県の防災・減災対策

 宮崎県県土整備部は、自然災害に対する防災・減災対策の取り組みをまとめ、県議会の防災・減災対策特別委員会に報告した。南海トラフ巨大地震の発生を念頭に置いた防災・減災対策を推進し、県土の強靱化を実現するためには、国土交通省所管の県事業だけでも「今後、少なくとも1兆1000億円以上の予算が必要」と推計。国等に対して新たな財政措置の仕組みづくりや予算の重点配分を強く要望していく考えを示した。

 県は平成28年12月に策定した「宮崎県国土強靱化地域計画」の中で、▽最大限の人命の保護▽県及び社会の重要機能の維持▽県民の財産及び公共施設の被害最小化▽迅速な復旧・復興―を基本目標に掲げており、同計画を踏まえた「新・宮崎県地震減災計画」に基づく各種防災・減災対策を推進している。

 平成25年度から29年度までに南海トラフ巨大地震対策として投じた県土整備部の事業費総額は約1066億円。各年度ごとに概ね200億円程度の事業費を投入し、道路や港湾施設等の整備、土砂災害対策の充実、津波避難場所及び避難経路の確保、津波防御施設の整備、住宅・建築物の耐震化に取り組んでいる。

 道路関連では、発災後の避難や救助・救急輸送、救援物資輸送に於いて命の道と位置付ける高速道路のミッシングリンクの解消をはじめ、これを補完する地域高規格道路やアクセス道路の整備、橋梁の耐震対策、幹線道路の無電柱化等を推進。道路利用者の避難対策として、標高表示板や津波情報表示板の設置等にも取り組む。

 河川・海岸関連では、河川堤防の液状化対策や樋門・樋管等の自動閉鎖化、防潮堤の整備位置等の検討、津波監視カメラの設置等を実施。港湾関連では、緊急物資等の海上輸送拠点となる細島港や宮崎港、油津港での耐震強化岸壁の整備や粘り強い防波堤の整備を進めるとともに、港湾利用者のための津波避難施設を整備した。

 砂防関連では、土砂災害危険箇所の基礎調査結果の公表及び土砂災害警戒区域等の指定、土砂災害から避難場所等を守る砂防施設、急傾斜地崩壊防止施設の整備を推進。このほか、沿岸部の都市公園への避難誘導表示板等の設置や、旧耐震基準で建築された木造住宅及び大規模民間建築物に対する耐震化支援も推進する。

 これらの取り組みの結果、29年度時点の高速道路供用率は73%(27年度比3ポイント増)、地域高規格道路整備率は57.8%(同3.2ポイント増)、緊急輸送道路防災対策進捗率は56.0%(同5.0ポイント増)、河川整備率は49.3%(同0.5ポイント増)、住宅耐震化率は79.3%(1.5ポイント増)などとなった。

 県土整備部の南海トラフ巨大地震対策に係る30年度当初予算額は約172億円。緊急輸送道路整備等の道路関連に約112億円、河川・海岸施設整備等の河川・海岸関連に約11億円、耐震強化岸壁等の港湾関連に約6億円、土砂災害対策等の砂防関連に約39億円、都市公園等関連に約1億円、建築物耐震化に約1.6億円を充てる。