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新刊紹介 「空間」を「場所」に変えるまち育て

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 人口減少が進み、使われなくなった「空間」が増えたまちを、生き生きとした「場所」に再生する、〝まち育て(成熟社会)〟を筆者は提唱する。

 まち育てには、官と市民との協働が欠かせない。加えて、自分の住む地域で生かすべき資源を発掘し、それを再生、活用していくことのできる目を養う「まち学習」や「まちを育てる人材育成」が必要になる。

 こうした視点から、英国が義務教育に取り入れている「まち学習」をはじめ、1970年代後半に米国で誕生し、ダウンタウンに存在する歴史的な商業建築を保全・活用するために創出されたマネジメント手法「メインストリート・プログラム」、青森県黒石市中町の通称「こみせ通り」を中心としたまち育てとそれに続く各種のプロジェクト、旧青森気象台跡地公園計画におけるワークショップなどを紹介。その先に、真のコンパクトシティー実現の鍵があると説く。

 「空間」を「場所」に変えるまち育て~まちの創造的編集とは~。住総研住まい読本、北原啓司著、萌文社刊。住総研第5回清水康雄賞受賞作。A5版、165ページ。1800円(税別)。