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山村や林業を支援、安全の確保も 宮崎県治山林道協会

■ 平成30年度「第6回定時総会」を開催

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▲写真は挨拶する黒木会長、表彰式、総会の模様

 一般社団法人宮崎県治山林道協会(黒木定藏会長=西米良村長)は6月27日、宮崎市内で平成30年度「第6回定時総会」を開催した。多数の会員や来賓が出席する中、平成29年度事業報告及び収支決算、平成30年度事業計画案、役員改選等の各議案を原案どおり承認。役員改選では黒木定藏氏が会長に再任された。

 総会で挨拶に立った黒木会長は、昨年の北部九州集中豪雨で甚大な被害が発生したほか、県内に於いても台風18号による林道・山地災害が発生したことに言及。新燃岳及び硫黄山の噴火など、地域に大きな影響を与える災害が多発していることを踏まえ、会員である県内市町村の首長に、力強く対応に取り組んでもらうよう呼び掛けた。

 協会運営に関しては、大規模災害の影響で収益事業が前年度を上回る結果となったほか、子供達に自然との共生の大切さを学んでもらう啓発活動や小規模集落が実施する地域創生事業に対する支援等の公益事業に取り組んだことを報告。「山村・林業・森林の支援や安全の確保、地域活力向上のための事業を展開していきたい」と述べた。

 来賓祝辞を述べた林野庁森林整備部治山課の大政康史課長は、喫緊の課題である林業の成長産業化と森林資源の適正管理を着実に実現するため、今国会で森林経営管理法案が成立したことを紹介。同法案に基づく新たなシステム等を積極的に活用し、森林資源を核とした地域に於ける持続可能な社会の構築に取り組む姿勢を示した。

 宮崎県の河野俊嗣知事は、本県のスギ素材生産量が27年連続で日本一となる一方、再造林や担い手確保等の課題を抱えていることに言及。来年度に開講する林業大学校等を通じて人材の確保・育成を支援していく考えを示した。県議会の蓬原正三議長は「木材と人材は森に育つ」と述べ、人と自然が共生する豊かな森林の実現に期待を込めた。

 議案審議で了承された平成30年度の事業計画では、▽森林・林業・山村の役割に関する普及啓発事業▽技術向上に資するコンクール及び研修会の開催▽治山・林道・保安林整備計画調査事業▽調査研究事業▽治山林道受託事業―に取り組むとともに、治山及び林道整備の推進に配慮した予算確保を関係機関に要望していくことを確認した。

■優れた技術者ら表彰、治山林道等コンクール

 定時総会では、適切な林道の維持管理の推進や施工技術の向上を目的とした「林道維持管理コンクール」及び「治山林道工事コンクール」の表彰式も執り行われた。適切な林道の維持管理や治山・林道工事に於ける施工技術の向上、木材使用工法の推進等に顕著な功績があった13名に表彰状と記念品が贈られた。

 受賞者を代表して、日向市の十屋幸平市長は「治山・林道工事の技術向上及び林道の維持管理に対する努力を評価していただき大きな励みになる」と喜びを語り、「災害に強い施設の設計・施工を心掛けるとともに、既存施設の維持管理に努めることで、本県の豊かな森林を守り、育て、次世代に引き継いでいく」と語った。

 表彰受賞者は次のとおり(敬称略、カッコ内は対象路線・工事)。

*林道維持管理コンクール
▽最優秀賞=十屋幸平日向市長(森林基幹道熊山線)

*治山林道工事コンクール
〔治山工事部門〕
▽最優秀賞=冨岡大敬/丸山工務店[復旧治山事業池田2工区]
▽優秀賞=前田紀明/川上建設[復旧治山事業柏葉]、齊藤竜徳/鴟尾工業[予防治山事業土屋]
▽優良賞=山本恵/栄高産業[緊急予防治山事業大楠]、海老原巧/海老原建設[災害関連緊急治山事業釜牟田1工区]
〔林道工事部門〕
▽最優秀賞=片岡陽起/隅田組[地方創生道整備推進交付金事業(開設)可愛岳線(1工区)]
▽優秀賞=樫本健吾/旭建設[地方創生道整備推進交付金事業(開設)西林・神陰線(3工区)]、佐藤士朗/宮本組[山のみち地域づくり交付金事業小川・棚倉峠線(1工区)]
▽優良賞=釘宮毅/平尾組[地方創生道整備推進交付金事業(開設)竹の原・諸和久線(4工区)]、城尾一令/木田建設[地方創生道整備推進交付金事業(開設)岩神・大石線(2工区)]
〔治山・林道木材使用部門〕
▽優秀賞=西諸県農林振興局林務課森林土木担当[復旧治山事業池田2工区]、東臼杵農林振興局森林土木課森林路網第一担当[林業専用道整備事業椎葉1号線(1工区)]。