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植物工場新設、LED照明で栽培環境最適化 米良企業G

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▲写真は記者会見に臨む米良社長、船ケ山社長、池ノ上学長、第2工場フィールド

 米良企業グループの株式会社共立電機製作所(米良充典社長)と株式会社共立電照(船ケ山保幸社長)は6月26日、宮崎市高岡町の三高テクノ工場に国内最先端の技術を備えた植物工場実験施設「808MERA」を新設するとともに、同施設に於いて国立大学法人宮崎大学(池ノ上克学長)と共同研究を行うと発表した。

 新たな地域雇用と新事業の創出を目指し、三高テクノ工場を植物生産等の新しい研究開発や生産を行えるバリアフリーに対応した施設として整備する。LED照明で高い技術を有する共立電照と宮崎大学の共同研究として、植物の栽培環境の最適化に取り組む。

 三高テクノ工場第2工場3階のフィールド試験場のスペースを活用し、3階建約100m2の栽培室、2階建約32m2の発芽室をそれぞれ造る。完全密閉型の無菌室を設置し、全室空調や湿度、二酸化炭素等のコントロールを可能にする。整備は新日鉄住金エンジニアリングが担当。7月に着工し、10月の完成、11月の供用開始を目指す。

 同社はこれまでも他社の植物工場にLED照明を納入。照度のムラ等をなくす乱反射技術に加え、波長や照射を工夫し、レタスの生育期間を通常のLED照明と比べて1週間程度短縮できる技術を確立している。宮崎大学との共同研究で、作物の含有成分を光や水肥料、培養液等で調整し、食事制限がある人にも提供可能な野菜づくりを進める。

 11月から生産開始予定の工場では、約1カ月で生育・出荷・販売を行うという。障害者10人以上を含む計15人を新たに雇用する見通し。障がい者や高齢者が働きやすいよう、施設はバリアフリー化する。

 会見で米良社長は「農作物生産で豊富な知見を有する宮崎大学と研究を行うことで、光だけではなく多くのデータを収集し、高品質で低コスト、効率的な生育環境づくりを目指していきたい」と意気込むとともに、「国内には多くの植物工場があるが、採算が合わないところも多いと聞く。弊社の強みを生かし、地域社会により貢献できれば」と語った。