宮崎市は、一般会計に約16億円を追加補正する平成30年度6月補正予算案の概要を発表した。今年1月に行われた市長選挙の影響を考慮し、30年度当初予算はいわゆる骨格予算として編成していたため、今回の6月補正予算を肉付け予算と位置付ける。
宮崎市の30年度当初予算は、義務的経費や一般管理費といった経常的経費を中心とした骨格予算として編成。肉付け予算と位置付ける6月補正予算では、総合計画戦略プロジェクト関連事業や新規事業、投資的経費等の政策的経費を中心に編成を行った。
肉付け後の予算規模は、一般会計が1592億4600万円(前年度当初比0.6%増)、特別会計が1047億8000万円(同11.7%減)、企業会計が392億6800万円(微増)で、予算全体の規模は3032億9400万円(同4.1%減)となる。
編成にあたっては、▽第五次総合計画前期基本計画の積極的な推進▽地方創生総合戦略及び新市基本計画の着実な実施▽徹底した行財政改革の取組と健全財政の確立―の基本方針を踏まえつつ、公約に掲げた各種施策の実現へ可能なものから予算化を図った。
補正予算に於ける投資的経費は12億0881万円。肉付け後の総額は134億9900万円で、前年度当初比7.2%の減額となる。内訳は、普通建設事業費が133億0400万円(同7.3%減)、災害その他の経費が1億9500万円(同5.8%減)。
主な建設関連事業では、アリーナ基本構想調査事業に615万円、エコクリーンプラザみやざき施設整備計画策定事業に1150万円、公営住宅建設事業に2400万円、小・中学校校舎屋根防水改修事業に約1億円、幹線道路の整備に約1億円を計上した。
■主要事業概要
宮崎市の平成30年度6月補正予算案における新規・重点事業は次のとおり(関係分のみ、数字は事業費、単位=千円)。
*良好な生活機能が確保されている都市
▽(新)福島保育所調理室整備事業
6,000
調理施設の整備を行う。事業内容=食器洗浄機設置に伴う給排水設備工事等、配膳棚金属製建具改修工事
▽(新)上水流児童プール改修事業
3,784
プール槽の塗装工事及び施設補修を行う。整備内容=再塗装(プール槽内、プールサイド、シャワー、目洗い場、トイレ屋根)、プールサイドの一部張替え、目洗い配管の取替え
▽(新)民設型児童クラブ施設整備事業
8,428
民設型児童クラブ(東大宮第二児童クラブ・檍第二児童クラブ)の整備費用の一部を助成する。
▽(新)宮崎南部墓地公園合葬墓埋蔵棚増設事業
7,320
宮崎南部墓地公園合葬墓の埋蔵棚(骨壷約350個分)を増設する。
▽太陽エネルギー利用機器導入促進事業
28,000
住宅用太陽光発電システムを設置する市民を対象に設置費用の一部を助成する。
▽(新)大気汚染常時監視測定局移転整備事業
4,900
佐土原総合支所東側にある消防団車庫内の一般環境大気測定局を同支所北別館に移設する。
▽たらのき台不燃物処理場ガス安定化事業
30,000
たらのき台不燃物処理場のガスの安定化を図るため、ガス抜き管の設置など安定化促進対策工事を行う。
▽清武横狩倉不燃物処理場適正化事業
26,000
適正に閉鎖するための環境化学分析調査等を実施する。
▽(新)エコクリーンプラザみやざき施設整備計画策定事業
11,500
焼却施設やリサイクル施設、水処理施設の延命化を図るため、長寿命化総合計画を策定する。
▽(新)自然休養村センター天井改修事業
13,900
老朽化した天井や屋根の改修工事を行う。事業内容=天井改修、西棟屋根防水改修、東棟増築部分雨漏り修繕、浴槽棟連結通路屋根防水改修
▽空き家等対策推進事業
3,454
モデル地域として青島地域の改修費等の助成を行うほか、空き家バンクのシステム改修を行う。
▽公営住宅建設事業
24,000
新町・追手団地及び黒坂団地の建替事業に取り組む。新町・追手団地についてはPFI法に基づく事業導入に向けたアドバイザリー業務等を実施する。
▽(新)大淀川市民緑地(桜堤)更新事業
4,275
生育状況が悪い箇所の土壌入替えと桜の植替えを実施する。
▽民間緑化支援事業
1,200
生垣や屋上・駐車場緑化など、市民の自発的な取り組みに対して助成する。
▽既設公園リフレッシュ事業
26,200
公園施設の改修を行う。事業内容=テニスコート改修工事
▽自然災害防止急傾斜地崩壊対策事業
7,000
急傾斜地で崩壊のおそれがある危険箇所(北伊倉地区)の対策工事を行う。
*良好な地域社会が形成されている都市
▽(新)小・中学校トイレ洋式化推進事業
10,000
和便器から洋便器への更新工事を行う。小学校(宮崎南小外5校)6,000千円、中学校(東大宮中外3校)4,000千円
▽小・中学校校舎屋根防水改修事業
102,080
老朽化が進む校舎の屋根防水改修工事を行う。小学校(宮崎小外2校)33,368千円、中学校(赤江東中外3校)68,712千円
▽小・中学校プールろ過機更新事業
11,943
老朽化したろ過機の更新工事を行う。小学校(浦之名小)2,943千円、中学校(宮崎北中)9,000千円
▽小・中学校施設バリアフリー整備事業
3,800
出入口等のスロープ設置や段差の解消を図るなどバリアフリー化を推進する。
▽(新)地域事務所施設整備事業
2,700
間仕切り設置工事や非常時外灯設置工事を行う。
▽学習等供用施設整備事業(佐土原)
19,421
石崎地区・福島地区・西十地区・新城地区の外壁改修工事、石崎地区・福島地区の屋根防水改修工事等を行う。
▽(新)本郷公民館管理棟屋根防水等改修事業
15,700
本郷公民館管理棟の屋根防水改修工事と外壁改修工事を行う。
▽(新)生目台地区交流センター屋根防水改修事業
25,000
生目台地区交流センターの屋根防水改修工事を行う。
▽(新)総合福祉保健センター北側庇改修事業
4,780
建物北側の庇の改修工事を行う。事業内容=庇の一部改修及び新設、排水管等の新設
▽(新)観光陶板等維持管理事業
1,360
佐土原町域の観光陶板(5基)及び陶板(30基)の補修を行う。
▽消防団拠点施設整備事業
4,600
消防団拠点施設を整備する。事業内容=消防団車庫解体新築設計及び地質調査
▽文化施設の改修工事
96,584
工事内容=文化施設維持管理事業(市民文化ホール1階トイレ改造工事、市民プラザ冷温水発生機改修工事など)59,989千円、文化施設維持管理事業(清武文化会館音響調整卓更新工事など)36,595千円
▽社会体育施設の改修工事
105,800
工事内容=総合体育館改修事業(外壁改修工事など)71,000千円、清武総合運動公園施設改善事業(園路外灯設置工事)10,000千円、B&G海洋センター体育館改修事業(玄関周辺改修工事など)23,000千円、青島パークゴルフ場改修事業(樹木植替え工事)1,800千円
▽中央公民館外壁改修事業
16,878
中央公民館(総合体育館との複合施設)の東・北面の外壁改修工事を行う。
▽(新)科学技術館施設改修事業
4,500
安全かつ快適な施設環境を提供するため、屋上防水シート改修工事を行う。
▽科学技術館管理運営事業
1,673
プラネタリウムの操作を行うコンソール(操作卓)及び制御部を更新する。
▽(新)安藤家武家門保存修理事業
500
保存修理に係る実施設計を行う。
*良好な就業環境が確保されている都市
▽(新)新規就農者施設園芸用ハウス整備事業
30,000
宮崎中央農業協同組合が取り組むハウス整備に要する費用の一部を助成する。
▽(新)畜産施設整備支援事業
6,166
飼養頭羽数の増加や作業の安全・省力化、農場衛生環境の向上を図る施設整備費の一部を助成します。
▽(新)みやざきの花産地強化支援事業
2,166
生産性の向上に資する資機材等の導入に要する費用の一部を助成する。
▽(新)森林整備加速化・林業再生事業
122,940
地域材の安定的な供給体制を構築し、多様化する木材需要に対応するため、高性能機械等の導入費用の一部を助成する。
▽(新)ちりめん加工施設改修支援事業
8,000
宮崎漁業協同組合が有するちりめん加工施設修繕費用の一部を助成する。
▽排水改良事業(県補助)
7,500
受益面積5㌶未満の小規模な排水路の改修を行う。
▽農地耕作条件改善事業(基盤整備)
6,000
松井用水路の未改修区間の整備を行う。
▽農業基盤整備促進事業
6,100
国営大淀川左右岸関連事業の完了地区において給水栓設置を行う。
▽中心経営体育成支援基盤整備事業(県補助)
3,600
農業の持続的発展と営農の効率化・農地の集積化を図るため、生産基盤の整備(改修・新設)に係る工事費の一部を助成する。
▽農業用ため池緊急防災対策事業(県補助)
35,200
土砂が堆積し貯水能力の低下した池の浚渫や老朽化した施設の整備を行う。
▽農道整備事業(市単独)
90,680
農産物の輸送の効率化及び農村地域の生産環境の改善を図るため、県補助事業に該当しない農道の整備を行う。
▽震災対策農業水利施設整備事業
51,000
自然災害による緊急事態に備え、農業用ため池のハザードマップを作成する。
▽(新)みやざき企業生産性向上設備等導入促進支援事業
30,000
製造業事業所の経営安定と新たな雇用の場の創出のため、生産性及び付加価値の向上につながる設備投資に係る費用を助成する。
▽老朽ため池安全対策事業(佐土原)
8,400
老朽・荒廃化したため池が地震や大雨により下流域に被害を及ぼさないよう、堤体の掘割りと水路の整備等の対策を行う。
▽団体営ため池等整備事業
71,850
農業用水の安定的供給及び農業生産性の向上、防災機能の向上を図るため、ため池の整備を行う。
▽かんがい排水事業(県補助)
31,620
受益面積20㌶未満の用排水路やパイプライン等の整備を行う。
▽暗渠排水事業(県補助)
7,000
農業生産性を向上させるため暗渠排水を整備する。
▽(新)農地利用最適化推進事業
2,300
遊休農地を優良農地に復元するための経費の一部を助成するとともに、担い手への面積集積等についての話し合いを行う。
*魅力ある価値が創出されている都市
▽(新)ホテル・旅館等リノベーション支援事業
10,000
リノベーションやアップグレードを実施するホテル・旅館等に対して、施設整備費等の一部を助成する。
▽(新)白浜オートキャンプ場公民連携推進事業
6,400
公民連携の手法により白浜オートキャンプ場の魅力アップを図るため、地域性の分析や手法等の調査を行う。
▽(新)青島・日南海岸魅力発信事業
1,000
事業者や地元住民等のネットワークを形成し、景観形成等の事業への助成を行う。
▽花と緑のまちづくり推進事業
4,086
市民等が自主的に行う植栽活動を支援するとともに、拠点となる公園等への花苗の植栽及び維持管理を行う。
*地域特性に合った社会基盤が確保されている都市
▽(新)アリーナ基本構想調査事業
6,156
スポーツイベントやコンサートなどを開催できる多機能複合型のアリーナ基本構想を策定するため、市の基本的な考え方を基に、専門家等の招聘や交通量、受入環境等についての調査を行う。
▽幹線道路の整備
104,700
円滑な交通機能を確保するため幹線道路の整備を図る。
▽生活道路の整備
43,900
幹線道路との連絡道路や生活道路の整備を図るとともに、交通安全対策を推進する。
▽(新)宮崎市現況図作製事業
123,221
地理情報システム(GIS)等による利活用が可能な電子地形図の更新を行う。事業内容=既存の宮崎市現況図の修正、現況図修正に伴う都市計画図の更新
▽(新)道路作業車両更新事業
5,100
経年劣化した道路作業車両を更新します。
▽(新)一ツ瀬川広域河川改修に伴う市道拡幅事業
5,000
県の実施する一ツ瀬川広域河川改修事業に合わせて行う市道拡幅整備費用の負担金を支出する。
■通常分は13億余
宮崎市は平成30年度6月補正予算案(通常分)の概要を明らかにした。一般会計に13億4716万円を追加し、補正後の予算規模は1605億9316万円となる。
主な事業では、園芸産地の維持・拡大と農家経営の安定を図るため、低コスト耐候性ハウス等を整備する営農集団に費用の一部を助成する園芸施設整備支援事業に5億6429万円、APハウスの資機材やリース機器を導入する営農集団に費用の一部を助成する農産園芸用資機材導入支援事業に7543万円を補正する。
国の内示に伴い、▽社会資本整備総合交付金事業(補正額5100万円)▽路面下空洞調査事業(同400万円)▽道路舗装打換事業(同2700万円)▽橋梁長寿命化修繕計画策定事業(同1500万円)▽橋梁長寿命化修繕事業(同3900万円)▽安全で快適な自転車通行空間整備事業(同250万円)―の事業費を増額する。
歴史資料館の再配置計画に基づき、みやざき歴史文化館の機能(収蔵以外)を生目の杜遊古館に統合する生目の杜遊古館展示スペース整備事業には、施設改修工事及び展示製作費として6200万円を計上。事業費総額は2億円を見込み、残る1億3800万円(展示製作費)については31年度を期限とする債務負担行為を設定する。
このほか、春日台団地の法面改修事業(老朽化モルタル補修補強工)に6850万円、道の駅フェニックス屋外トイレ改修事業に390万円、生目台地区交流センター空調設備改修事業に6000万円、宮崎市立古城小学校図書館整備工事に4600万円、庁舎整備に向けた財政調整基金ほか積立金に3億円を充てる。