子育て支援の拠点となる「(仮称)子どもの城」の整備を計画する延岡市は、開会中の6月議会に上程した補正予算案に、施設整備工事費の一部等として1億2269万円を盛り込んだほか、限度額を4億8800万円とする債務負担行為(支出期間=平成31年度)を設定した。予算化後、事業者選定に向けた準備や手続き等を進め、来年1月に着工する見通し。工事は2箇年度で行い、31年度内の整備完了を目指す。
人口減少や少子高齢化等の社会情勢を踏まえた子育て環境の変化、子育てニーズの多様化等に対応するため、子育てに関する幅広い総合的な機能を持った新たな子育て支援拠点として、旧県立延岡わかあゆ支援学校跡地(延岡市松山町)に施設や駐車場、遊具を備えた公園等を整備し、切れ目のない子育て支援の推進を図る。
施設整備に係る基本構想・基本計画では、「だれでも・いつでも・気軽に利用できる子育て総合拠点」をコンセプトに、▽子育てに前向きに向き合える相談体制とフォローの充実▽子育てをする人同士の交流が生まれ、必要な子育て情報を得られる▽気軽に立ち寄れて、遊びや学びを通して成長できる―などの環境を整備する。
新設する施設の規模はRC造2階建延べ1500m2程度。子育て支援機能として、相談窓口や病後児保育室、一時預かり保育室、育児用品貸出コーナー等を設けるほか、発達支援に対応した相談室や保護者交流室、学習室及び図書室、交流・談話の場となるラウンジ、セミナー等を開催できる多目的ホール、飲食・調理スペース等を設ける。
前述の計画施設を敷地西側に配置し、その南北に職員用及び来客用の駐車場を確保する。東側に整備する公園には、自然体験や豊かな遊びの機会を提供するため、築山や砂場、遊具等を配置するほか、四阿や散策路等も整備。遊びや体験のエリアである公園部分と施設1階に設けるプレイルームを連動して一体的に機能させる。
一方で、延岡市の読谷山洋司市長は、商工や観光の要素を含む複合的な施設の活用を視野に計画の見直しを示唆。これに対し、地元の保育関連団体が当初の構想・計画に基づく速やかな施設整備の実施を市長に求めていた。現時点では、大幅な計画内容の変更は行わず、部分的な設計変更等で対応する見通しでいる。
施設整備に係る基本・実施設計は小嶋・コトブキJVが担当し、現在は実施設計が進む。計画では31年1月の着工を目指し、第2~第3四半期に事業者の選定を行う見通し。施設建設工事と公園等の外構部工事は別工事とする予定でいる。建設工事は30~31年度の2箇年で行い、31年度内に整備を完了させる考えでいる。