■ 平成30年度表彰式、第60回通常総会を開催
▲写真は挨拶する山﨑会長、会場の模様
一般社団法人宮崎県建設業協会(山﨑司会長)は5月24日、宮崎市内で「平成30年度表彰式」と「第60回通常総会」を開催した。多数の来賓を招いて行われた表彰式では、企業や団体、個人の各賞を表彰。総会では、公共事業予算の増額確保や施工時期の平準化、担い手三法の趣旨を踏まえた制度改正等を求める決議を会員の総意として採択した。
表彰式で挨拶に立った山﨑会長は、今年度の表彰を受賞した企業37社と個人67人に対して「建設業の発展のため、様々な立場で永年にわたり業務に励まれたほか、災害対応等で社会貢献されたことが高く評価された」と敬意を表し、受賞者一同に「永年培った経験と技術を若い世代に継承して欲しい」と呼び掛けた。
また、東九州自動車道や九州中央自動車道、都城志布志道路など県内の道路インフラ整備が着々と進展する反面、新燃岳や硫黄山の噴火に加え、家畜伝染病の発生も予断を許さない状況にあると指摘。協会の災害復旧の取り組みを示した上で、「常在危機の意識を持ちながら、県民の安全と安心を守っていきたい」と述べた。
他方、少子高齢化の急速な進展に伴い、建設業界に於いても人材の高齢化が進み、若手技術者や技能者、労働者の不足が懸念されていることに言及。国や県が将来の担い手確保・育成等に向けた施策を展開する中、各地区協会を中心として、青年部や女性の会が牽引役となり、諸問題の解決へ活性化することを期待した。
来賓祝辞では宮崎県の河野俊嗣知事と蓬原正三県議会議長が挨拶。河野知事は、ミッシングリンクの解消や港湾・河川の整備、防災・減災対策など課題が山積する中、国の審議会で「地方の社会資本整備が概成しつつある」との意見が示されたことに危機感を示し、地方には社会資本整備が必要だということを国に強く訴えていく考えを示した。
特に道路整備に関して、東九州道の宮崎市から北九州市までの区間が開通したことで大きな効果が発現していることに言及。「中山間地域を含めて道路の利便性を向上させることが、宮崎の発展に向けた大きな力になる」との認識を示し、「皆さんと力を合わせて社会資本の整備や建設産業の更なる振興に取り組んでいきたい」と述べた。
式では各賞の代表に山﨑会長が表彰状を贈呈。受賞者を代表して謝辞を述べた池島久子氏は、建設産業が社会資本の整備に加え、地域の安全・安心を守るという重要な使命を担っていることを強調し、「栄えある受賞を機に、更なる技術の研鑽に努め、活力に満ちた住みよい安全な郷土づくりに邁進していく」と意気込みを語った。
表彰受賞者は次のとおり(順不同、敬称略)。
*全国建設業協会会長表彰
▽会社役員特別功労者表彰=田村努、吉田一徳、徳留良弘
▽団体職員功労者表彰=則松しおり
▽会社表彰=鈴木組、谷川開発、福来満建設工業、宮川工務店、首藤組、田代組、木場土建、河野建設、川南工業、西府組、あさひ産業、カトウ、小倉組、武田建設、宮本組、田邉建設工業、奈須組、大平開発、大洋建設、大幸建設
▽従業員表彰=稲元松文、坂元孝一、中武伸幸、岩崎美津夫、新田望
*宮崎県建設業協会会長表彰
▽特別功労役員表彰=堀之内芳久
▽功労役員表彰=本部喜好
▽職員功労者表彰=落合眞蔵
▽会社表彰=宇治橋建設、かわじ建設、児玉工業、高村建設、徳井建設、若松建設、有嶋建設、三協、髙橋工務店、鴟尾工業、天井丸建設、伊東建設、甲斐組、日新興業、豊松建設、五大建設、大木場産業
▽従業員表彰=山路昌治、甲斐道廣、山下富行、長友三男、星倉正和、川上健一、谷口公一、矢野和生、矢野陽三、井鳥誠一郎、松山正憲、徳村敏久、池島久子、今村恵一、尾上浩、満永勇二、山﨑安男、岩元悟、中嶽幸蔵、瀬戸山勝、長友英子、有水建次郎、有馬直樹、上久保隆、門松隆二、戸高貴宏、田島克郎、西倫史、内藤健、相牟田稔、嶺石光春、中須純一、西村英二、伊比井保訓、青山直人、橋口哲也、那須康隆、内山智子、児玉孝雄、荒竹浩二、柏田秀雄、奈須俊郎、木村秀幸、栁田武彦、山田健二、石田浩一、馬崎研二、盛武幸博、飯干正、甲斐茂広、奈須信人、甲斐三夫、馬原美幸、甲斐和幸、西山達也
*建設業福祉共済団理事長表彰
▽建設共済加入促進功労者表彰=甲斐英伸、浜本和樹
▽建設共済普及促進広報活動表彰=宮崎県建設業協会。
■役員改選で山﨑会長を再選
表彰式後の総会で山﨑会長は、改正品確法の運用から4年目を迎えた現在、建設業を取り巻く環境は依然として厳しく、担い手の確保・育成が喫緊の課題であると指摘。出前講座や現場見学会、テレビCM等を通じた若手人材の確保や県外流出の抑止、人材の定着に向けた事業に注力していく考えを示し、活動に対する理解と協力を求めた。
山﨑会長を議長に選出して行われた議案審議では、平成30年度事業計画及び収支予算について事務局から報告を受けたほか、平成29年度事業報告及び収支決算、任期満了に伴う理事及び監事の選任案を可決した。会長に再選された山﨑氏は「10年後、20年後も明るく元気な建設業を残せるよう頑張っていこう」と述べた。
30年度の事業計画では、関係機関との意見交換や陳情・要望活動を通じて、インフラ整備が遅れている本県への公共事業予算の増額確保、最低制限価格の引き上げをはじめとする制度改正を求めていくほか、担い手の確保・育成対策、災害対応力の強化、戦略的広報活動の展開、法令遵守の徹底などに取り組むことを確認した。
総会ではこのほか、▽公共事業予算の増額確保と早期の補正予算の編成▽早期発注と施工時期の平準化▽担い手三法の趣旨を踏まえた最低制限価格の引き上げ、適正な予定価格の設定▽労働環境の改善に向けた諸経費の増額と賃金体系の見直し▽生産性向上に取り組みやすい環境整備―などを求める決議を採択した。
総会終了後には、経済評論家で株式会社経世論研究所所長の三橋貴明氏を講師に招き、「公共投資と日本経済の成長」をテーマに基調講演が行われた。三橋氏は、インフラ整備こそが国家の基盤であることを様々な資料やデータを用いて説明。出席した会員や行政関係者が講演内容に熱心に耳を傾ける姿が見られた。
*新役員は次のとおり(順不同、敬称略)
▽会長=山﨑司(山崎産業)
▽副会長=小野耕嗣(小野建設)、藤元建二(藤元建設)、甲斐英伸(甲勝建設)
▽常務理事=本部喜好(川正建設)、河野義也(松浦建設)、長友俊美(丸昭建設)、河野与一(河野産業)、河野孝文(河野建設)、津房正寛(津房産業)、興梠俊茂(興梠建設)、樫村晃弘(事務局)
▽専務理事=坂元政嗣(事務局)
▽理事=[宮崎]坂口睦男(坂口組)、西條隆雄(西條組)、児玉清和(旭洋建設)、田村和也(相生建設)、春山義正(春山建設工業)、宇治橋信雄(宇治橋建設)、川浦幸治(龍南建設)、[日南]柳橋恒久(富岡建設)、河野直継(河野組)、門川好秀(日南建設)、[串間]吉田一徳(吉田建設)、畑山典秀(畑山建設)、[都城]藤田忍(藤誠建設)、河野一治(丸宮建設)、徳留良一(はやま建設)、藤川正守(南星建設)、谷村一成(大成工務店)、[小林]橋元清一(丸山工務店)、源嶋政徳(児玉組)、松岡重孝(坂口建設)、[東諸]許斐泰將(許斐建設)、中馬洋一(中馬建設)、山﨑透(日栄建設)、[西都]池田博(伊達組)、阿萬憲二(阿萬建設)、[高鍋]井尻雄樹(川南工業)、阪東和博(天井丸建設)、[日向]相生秀樹(相生組)、黒木繁人(旭建設)、黒木俊光(光技術開発)、内山雅仁(内山建設)、[延岡]木村健一(木村産業)、湯川鶴三(湯川建設)、佐藤雄二(不二建設)、[高千穂]工藤勝利(工藤興業)、木田壮一郎(木田建設)
▽監事=鈴木剛(鈴木産業)、持永忠志(持永組)、神中弘臣(会員外/税理士)。