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大淀川水系河川整備計画の変更案まとめ 国交省

 〔一部既報〕国土交通省宮崎河川国道事務所と宮崎・鹿児島の両県は、今後30年間の大淀川水系の整備目標や整備内容等を定めた大淀川水系河川整備計画の変更案をまとめた。ことし4月5日に公表した変更原案に対し、学識経験者や流域住民から寄せられた意見を踏まえ、変更案を作成・公表した。

 河川を取り巻く社会状況の変化を踏まえ、平成18年3月に策定した現行計画の見直しを行う。対象区間は大淀川水系の国管理区間と宮崎県・鹿児島県の管理区間で、計画期間は概ね30年間。治水・利水・環境の調和を図りつつ、堤防整備や河道掘削、遊水地整備、既設ダムの有効活用等に取り組む。

 目標流量を安全に流下させるため、堤防高及び断面が不足している箇所で築堤を実施するとともに、流下能力が低い箇所で川幅を広げるための引堤を実施する。洪水時の降雨や河川水の浸透による堤防の不安定化・流出を防止するため、過去の点検結果や背後地の社会条件等を踏まえ、既設堤防のパイピング対策に取り組む。

 必要な河道断面積が確保されていない区間に於いては、水際の多様性の創出に配慮した上で、河道掘削や樹木伐開等を実施する。平成17年9月洪水と同規模の洪水を安全に流下させるため、大淀川上流部及び下流部に遊水地を整備するとともに、既設ダムを有効活用して洪水調節機能を増強するなどの対策を講じる。

 洪水流下の支障となっている橋梁のうち、堤防と一体的に整備する必要がある橋梁に関しては、施設管理者と連携して必要な改築を実施する。内水対策として、既設排水機場の必要に応じた更新・改築等に取り組むほか、大規模地震発生時にも必要な機能を確保できるよう、新別府川の樋門耐震化や樋門自動閉鎖化等に取り組む。

 施設では守り切れない大洪水は必ず発生するとの考えに立ち、施設能力を上回る洪水が発生した場合に可能な限り被害の軽減を図るため、堤防構造を工夫する危機管理型ハード対策を水害リスクが高い区間で実施する。必要に応じて、迅速な復旧活動に必要な堤防管理用通路や水防拠点の整備等にも取り組む。

 国交省では、県知事の意見聴取や関係機関及び他省庁との協議を経て、これを反映させた大淀川水系河川整備計画を6月末にまとめる予定でいる。変更案は宮崎河川国道事務所のホームページで確認できる。

大淀川水系河川整備計画(変更案)について