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災害関連事業でTN整備 国道448号藤工区

 昨年6月の豪雨でひび割れや路面変状、斜面の滑落が発生した国道448号藤工区(串間市市木外)に関して、宮崎県は同工区に災害関連事業を適用し、トンネル整備による早期復旧を計画する。トンネル部の延長は約1㎞で、昨年度に詳細設計業務を発注済。現在は土捨場造成設計業務や工事発注に向けた積算技術業務が進む。

 対象区間は串間市市木の舳地区から藤地区までの約1.1㎞。昨年6月の豪雨で地すべりによるひび割れや段差等の路面変状、斜面の滑落が生じ、その後も道路や周辺斜面に於いて段差やひび割れが拡大を続けたため、県は国立研究開発法人土木研究所に技術的支援を要請。調査結果の報告等を踏まえ、復旧に向けた対策工法等を検討してきた。

 原位置での原形復旧を原則とする災害復旧事業では、再度被災のおそれがあり、多額の費用や事業の長期化が想定されることから、当該工区の整備に際して、被災施設の効用増大や被災外施設を含めた一連の改良等を事業対象とする災害関連事業を適用。平成30年災として、ことし2月に当該工区の災害査定を決定している。

 当該工区の早期復旧を図るため、県は調査結果を踏まえた対策工法等の検討と同時進行で、路線整備に向けた各種工事や業務を発注。現地の地すべり防止工事のほか、工区全体を対象とした道路予備設計及び詳細設計業務、法面設計業務、用地測量業務、地形測量業務、地質調査業務、地表地質踏査業務等を昨年度に行った。

 一方、トンネル整備に関しては、昨年12月に詳細設計業務をニュージェックに発注(委託期間=30年3月23日まで)。トンネル計画ルート上において実施する弾性波探査業務をことし2月に、掘削残土を処理するための土捨場造成設計業務(造成面積2.8㌶、埋め立て土量15万5000m3)を翌3月に発注している。

 4月26日には工事発注図面や数量総括表、積算資料の作成等を行う積算技術業務を宮崎県建設技術推進機構に委託した。積算業務の対象工事と工事規模の区分は、道路改良工区が1億円以上2億円未満、トンネル1工区及びトンネル2工区が各10億円以上25億円未満。業務の委託期間は30年9月30日までを予定する。