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菊竹氏設計の旧都城市民会館 今秋にも保存、解体を判断

 世界的に著名な建築家である故菊竹清訓氏が設計し、建築学的に価値のある旧都城市民会館問題に関して、都城市は今後の対応に関する現時点の考え方を示した。ことし6月~8月に民間主体の保存活用等に関する提案を受け付け、これを踏まえた市民アンケートを7月~8月に実施。9月以降に保存、解体等の方針を決定する。

 RC造の下部構造にトラス梁を放射状に並べた屋根を有する旧都城市民会館は、菊竹氏の設計により昭和41年に竣工。市民の文化振興拠点として愛されてきたが、新たな総合文化ホールの開館を機に19年3月に閉館した。同年9月の市議会で解体費に係る補正予算が可決され、市は施設を解体する方針を決定した。

 直後の10月、学校法人南九州学園から施設利用の申し出があり、市は21年3月に使用貸借契約を締結。当初は施設を改修して使用する予定だったが、キャンパスの優先整備等で活用の見込みが立たないまま時間が経過し、改修に多額の費用を要することが判明したため、南九州学園は29年12月に施設の返還等を市に申し入れていた。

 既存施設の老朽化によるリスクが顕在化し、周辺住民の不安が増大していることを踏まえ、市は南九州学園の申し入れを受け入れる方向で検討を開始。基本的には19年の解体予算可決という市議会の意思を尊重する一方、民間団体が保存活用の財源確保に目算のある提案を行うのであれば、提案を尊重して判断するとの考えを示していた。

 今後は、5月末まで保存活用案に関する相談を受け付け、6月~8月に民間主体の保存活用等に関する提案を受け付ける見通し。保存活用の方針だけでなく、実施主体の財源確保や提案の実現性も厳格に審査する。7月~8月に保存活用案を踏まえた市民アンケートを行い、これらの結果を踏まえ、9月以降に都城市の方針を決定する。