▲写真は挨拶する木下会長、記念式典の模様
一般社団法人日本塗装工業会九州ブロック(木下顕会長=熊本県支部長)の設立50周年記念式典と祝賀会が、5月11日に宮崎市内で開かれた。国会議員や行政及び関係団体から招かれた多数の来賓に加え、日塗装本部及び九州各県支部の会員ら170人超が出席。50周年の節目を盛大に祝い、更なる飛躍と発展に向けて意を新たにした。
式典では、先の総会で会長に就任した木下顕氏が挨拶。50年の歩みを振り返り、先人の努力や出席者の支援に敬意と感謝の意を示した。一方で、若手入職者の減少や働き方改革など、専門工事業として様々な課題が山積していることを指摘し、「危機感を持ちつつ、様々な切り口で、九州ブロック全員で取り組んでいく」と意気込みを語った。
多年にわたり九州・沖縄地区の健全な塗装工事業界の発展に寄与したとして、国土交通省土地・建設産業局建設市場整備課の勝瑞智章企画専門官が感謝状を授与。日本塗装工業会の古﨑正敏副会長が「塗装工事業の発展のため、職員の地位向上のため、そして後継者育成のために尽力することを誓う」と謝辞を述べた。
来賓祝辞を述べた宮崎県の河野俊嗣知事は、塗装技術の普及や人材育成、社会貢献活動など、会の様々な取り組みに感謝の意を示し、「これまで培われた塗装技術の伝承と人材育成に力を入れて欲しい」と呼び掛けたほか、競争と協調の精神の下、九州全体として連携をしつつ、切磋琢磨しながら良いモノをつくっていく重要性を訴えた。
また、九州地方整備局の下山洋文副局長や国土交通省土地・建設産業局の田村計局長(代読=勝瑞企画専門官)、宮崎市の戸敷正市長(代読=木下忠男副市長)は、塗装工事が土木・建築物の美観確保や既存ストックの良質な状態の維持のほか、省エネにも貢献するなど、極めて重要な役割を果たしていることを強調。
一方で、登録建設塗装基幹技能者講習の開催や社会保険加入促進など、技能労働者の確保・育成等に尽力する会の取り組みに敬意を表し、九州ブロックの更なる発展を祈念するとともに、既存ストックの適切な維持管理をはじめとする建設行政への引き続きの支援と協力を求めた。
日本塗装工業会の長崎和孝副会長の乾杯の発声で開演した祝賀会では、祝電や趣向を凝らしたアトラクションが披露され、参加者は会食や懇談を通じて親交を深めた。
*定時総会で30年度の取り組み確認
記念式典と祝賀会に先立ち、九州ブロックの第50回定時総会が開かれた。今総会を以て会長を退任した真砂光和前会長は、ペインテナンス事業で熊本県支部が全国1位を獲得したほか、青年部が積極的な活動を展開していることを踏まえ「九州ブロックの今後は明るい」と見通し、更なる事業展開に期待を込めた。
議案審議では、平成29年度事業及び収支決算、平成30年度事業計画案及び収支予算案、任期満了に伴う役員改選案などの議案を承認。役員改選では、木下顕会長(熊本県支部)、副島正則副会長(長崎県支部)及び宮嵜香副会長(佐賀県支部)をはじめとする理事14人と監事2人の人事案を了承した。
30年度の事業計画では、技術と経営に優れた専門工事業を目指し、次世代に向けた技能の継承や人づくり、働き方改革の推進などの本部事業活動を展開するとともに、九州ブロックとして各県支部間の連携強化、土木構造物塗装技術研究会活動の充実、新たな営業展開に繋がる技能塾の開催などに取り組むことを確認した。
総会ではこのほか、昨年10月の全国建築塗装技能競技大会に九州ブロックの各県支部から出場した選手に表彰状を授与。功労者表彰では、5期10年にわたり会長職を務めた真砂光和前会長のほか、宮崎県支部の園田龍男前支部長ら役員の功績を称えた。