県立宮崎病院の再整備を計画する宮崎県病院局は、施設整備に係る初弾工事として、今年度に準備工事等に着手する。病院局の発注見通しによると、第1四半期に敷地内に整備する立体駐車場の建設工事及び仮設駐車場整備等工事の入札を行う方針。立体駐車場の設備工事は分離発注とし、仮設駐車場整備等工事は建設主体工事に含める。
経年に伴う施設の老朽化や狭隘化の解消、災害対応力の強化、診療機能の向上等を目的に、敷地内に病院を全面改築するほか、一部施設は改修して活用する。基本設計段階の新病院の規模は、鉄骨造(免震構造)地上8階及び塔屋1階、延床面積4万8139m2。現在も施設整備に係る実施設計が日建・コラム設計業務共同企業体で進む。
一方で、近年の資材費及び人件費の高騰、新病院の延床面積の増床等を背景に建設費が増大したため、病院局は実施設計段階で設計業者とは異なる視点からコスト抑制策の立案及び発注者へのアドバイス等を行うCM(コンストラクション・マネジメント)業務をプラスPMに委託した。同業務を通じて50億円程度の事業費縮減を目指す。
病院局の平成30年度当初予算では、立体駐車場等の準備工事に係る費用として13億7621万円を予算化。これとは別に、病院本体改築に係る実施設計費や建設工事費等を含む県立宮崎病院改築事業として、228億8813万円を限度額とする債務負担行為(支出期間=30年度~33年度)を設定している。
病院局の発注見通しによると、第1四半期に立体駐車場建設に係る主体工事、電気設備工事、管工事の入札を条件付一般競争で行う予定でいる。立体駐車場の規模はS造4階建延べ6676m2で、建設工期は約10カ月。主体工事と電気設備工事の入札には総合評価落札方式を採用する。工事規模は、主体工事が5億以上10億円未満、電気設備工事と管工事が1200万円以上を見込む。
一方、本体工事に係る事業スケジュールでは、現在も進捗中の実施設計の委託期間がことし10月末であることを踏まえ、12月頃に新病院建設工事を公告し、30年度末までに工事請負契約を締結する見通しでいる。31年度より新病院の建設工事を本格化させ、33年度中頃までに完成させる予定。
その間、既存病院の解体設計や付属棟及び研修等の改修設計のほか、付属棟の一部改修工事も進める。33年度末までに新病院を開院し、これに合わせて旧病院の解体工事や残る既存施設の改修工事を実施。外構・植栽工事や周囲の道路改築工事等を経て、35年度初旬にグランドオープンする。