西都市は、「食の拠点」施設建設予定地として平成27年度に取得した同市大字岡富の用地(1万4086m2)の有効活用に向けた検討委員会の報告書をまとめた。現時点で用地を有効的に活用できる具体的な公共施設整備計画が無いことなどを踏まえ、引き続き、効率的な用地利用のあり方の検討を継続することとした。
観光資源である農産物や料理、加工品を販売・PRする拠点施設として、市は東九州自動車道の西都IC近接地に食の拠点施設の整備を計画。その後、建設計画を白紙としたが、「公有地の拡大の推進に関する法律」(公拡法)を適用して用地を先行取得していたため、施設建設予定地有効活用検討委員会を設置し、用地の活用策を模索していた。
土地活用方策の検討に際しては、新たな公共施設の建設用地や公共事業用地の代替地、公共施設の統廃合や建替等を検討する上での施設再編等用地など市が利用する手法のほか、市以外の者に貸し付ける手法、土地取得10年経過後、地域再生計画等に記載された事業目的達成のために売却する手法を検討の視点とした。
庁内職員による意見公募では、防災施設の建設、西都児湯医療センターの新病院建設用地、農産物貯蔵施設の建設、統合型環境制御技術(準野菜工場)を導入した農業科学公園の整備が提案された。当該用地が浸水想定区域内にあるため、「防災施設の整備は難しい」としたが、その他の用途に関しては情報提供及び情報収集に努めることとした。
これを踏まえた検討委員会の報告書では、現時点で先行取得した用地を有効的に活用できる具体的な公共施設整備計画が無く、民間事業者へ転売を行い商業・工業用地として活用する方法も考えられるが、公拡法で定められた一定の要件を満たすことができないため、「効率的な用地利用のあり方を継続的に検討する」とした。