▲写真は入隊式の模様
土木建設に関する技術と社会性を兼ね備えた人材を育成する宮崎県産業開発青年隊の平成30年度入隊式が、4月9日に宮崎県建設技術センターで行われた。式典には今年度の新入隊員47人とその保護者のほか、宮崎県の河野俊嗣知事、一般社団法人宮崎県建設業協会の山﨑司会長ら多数の来賓が列席し、新入隊員にエールを送った。
昭和26年創設の産業開発青年隊は、企業の即戦力となる土木建設エンジニアを育成する教育機関。様々な技術や知識を身につけ、多くの資格を取得することができ、これまでに4800人を超える優秀な人材を輩出している。現在は指定管理者である宮崎総合学院が伝統と民間のスキルを組み合わせた教育プログラムを実践している。
平成30年度の入隊者は、高卒者等を対象に基礎知識と各種技能の修得を図る施工管理課程が33人(うち女性3人)、前年度の施工管理課程修了生等を対象に専門知識と各種技能の修得を図る専攻課程が14人(同2人)となった。
9日に行われた式典では、河野知事が隊員の代表に隊旗を授与。挨拶で「皆さんが入職を目指す建設産業は、様々なストック効果をもたらす社会資本整備はもとより、災害時に於ける最前線での対応など、県民の生命と財産を守る上でも重要な役割を果たしている」と述べ、新入隊員に県民の大きな期待が寄せられていることを強調した。
続けて、同期の中で絆を育み、諸先輩との人脈を作るなど「人のネットワークを大切にすることが、皆さんの将来を支える大きな力になる」と指摘。「切磋琢磨しながら、互いに思いやることができる、幅広い視野を持った優秀な建設技術者に成長され、本県の建設産業を支える人材として活躍することを期待する」とエールを送った。
来賓を代表して、宮崎県議会の蓬原正三議長、宮崎市の戸敷正市長(代理=岩切典雄清武総合支所長)、宮崎県建設業協会の山﨑会長が挨拶。蓬原議長は、災害に備えた体制づくりに於ける建設業の重要性を踏まえ「大きく成長することを期待する」と挨拶。戸敷市長は「高い志を忘れず、立派な土木建設技術者になって欲しい」と述べた。
山﨑会長は、新たな夢や希望を持って入隊した隊員に「若者として何事にも積極果敢に取り組んで欲しい」と呼び掛けると共に、国や県と手を携えながら、労働面を含む様々な環境改善に取り組み、魅力ある建設産業の構築を目指していることを説明した上で、「卒業後には地元に就職し、郷土のために活躍して欲しい」と訴えた。
隊員を代表して誓いのことばを述べた施工管理課程の東條剣さんは、「先輩達が築き上げた歴史と伝統を守り、友愛・希望・協力のもとに互いに助け合う」と共に、「宮崎県産業開発青年隊の名に恥じぬよう、技術向上と資格取得に邁進し、社会基盤整備を担う一員として、地域社会に信頼される技術者になれるよう努力する」と述べた。
隊員はこれから一年間、規律ある集団生活を送りながら実技や実学、民間会社での実習等を通じて、土木建設に関する基礎、測量、機械運転等に関する知識と技術を学ぶ。訓練の一貫として、4月12日には木崎浜海岸の清掃・ゴミ拾い活動を行うほか、翌13日には山仮屋隧道までの約15㎞を徒歩で行進する恒例の耐久訓練に臨む。