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ICT土工の適用拡大、発注方式は見直し 国交省

 国土交通省は、直轄工事でICT土工を適用する工事を2018年度から拡大する。現在、ICT土工の適用工事は「道路土工」など4工種に限られているが、「水路工」や「仮設工」など土工を含むこの他の工種にもの適用を広げる。18年度には発注方式も見直し、総合評価方式でインセンティブを与える「施工者希望Ⅰ型」、ICT施工を前提に発注する「発注者指定型」の対象工事を拡大する方針だ。

 1月末までにICT土工として公告された直轄工事は1418件で、このうち受注者がICT土工を実施した工事は729件。実施工事は1月末時点で前年度の実施件数を24.8%上回っている。

 国交省は適用工事の幅を広げ、ICT土工の実施工事を増やす方針。ICT土工の対象工種は、土工が占める割合が高い「道路土工」「河川土工」「海岸土工」「砂防土工」の4工種としているが、18年度からは土工が含まれるこの他の工種への適用を認める。

 発注方式も見直して適用工事の拡大につなげる。ICT土工の発注方式は、予定価格3億円以上を「発注者指定型」、予定価格3億円未満・土工量2万m3以上を「施工者希望Ⅰ型」、予定価格3億円未満・土工事量2万m3未満を「施工者希望Ⅱ型」を目安に各地方整備局で発注方式を決めている。

 このうち、発注者指定型と施工者希望Ⅰ型を適用する工事規模の下限を引き下げ、適用件数を拡大する。施工者希望Ⅰ型は、契約後に受注者がICT活用を提案する施工者希望Ⅱ型と異なり、総合評価方式で加点評価を受けられる。

 このため、17年度の実績(1月末時点)を見ても、施工者希望Ⅰ型の公告件数に占める実施工事の割合は86.1%と高く、施工者希望Ⅱ型の33%を大きく上回っている。ICT土工を前提に発注する発注者指定型、総合評価でインセンティブを受けられる施工者希望Ⅰ型の適用を増やし、実施工事をさらに拡大させる。

■自治体発注は15倍に

 国交省の集計によると、2017年度(1月末時点)にICT土工を発注した都道府県・政令市は53団体で、公告件数は合計816件。公告件数は前年度の15.4倍に増えた。静岡県、群馬県、兵庫県、新潟県、東京都などの公告件数が多いが、いずれの自治体も実施工事の割合は直轄工事に比べると低い。国交省は、2月にICT土工の積算方法を見直し、小規模工事の採算性を改善するなど、自治体がICT施工に取り組みやすい環境整備に取り組む。

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